Japan Association for Medical Informatics

[5-C-1-02] 薬剤システムの現状・近い将来とこれからの課題

*Atsushi Takada1 (1. 九州大学病院 メディカル・インフォメーションセンター)

pharmacists, pharmaceutical systems, robotic prepartion, pharmaceutical partnership


薬剤師の活動とそのシステムの役割が拡大している。まず、病院施設内では、薬剤師が病棟における薬剤管理指導業務や病棟薬剤業務を始めたり、感染制御部門へ関与するなど、活動が多角化している。また、近年実用化された散剤の自動秤量や抗癌剤のロボット調製などの自動化は、本来薬剤部門が果たすべき役割である調剤作業の、より一層の安全化・効率化の両方に大きく寄与するものである。一方、自動化するにあたり、普段なにげなく行なっている行為が法律のもとでどう解釈され、機械で置き替え可能なのはどういった行為であるのか、十分に検討し、理解しておく必要がある。
次に、調剤薬局や在宅部門といった、病院施設の外との連携ではどうだろう。病院・医院で発生する処方情報や薬局で発生する調剤情報を共有し、有効活用しなければならない。現在はお薬手帳によって調剤情報は共有されており、スマートフォンなどで動作する電子お薬手帳も広く普及してきた。また、マイナンバーを利用したレセプト情報へのアクセスも考えられ始めた。しかしながら、薬局で調剤された情報を、病院でそのまま処方オーダにつなげることはできない、といった情報の非対称性についての理解は十分であろうか。さらに、一般名による処方と、それに対応する後発医薬品による調剤の関連性について、今一度整理する必要があるのではないか。電子処方箋の普及についても、HL7 FHIRの展開といった形での実用化が視野に入ってきた。
これからの薬剤師の役割と薬剤システムの発展のため、まずは現状と近い将来について議論したい。