一般社団法人 日本医療情報学会

[5-C-2-01] 個人情報保護法改正の動向と医療情報

*藤田 卓仙1 (1. 慶應義塾大学, 2. 世界経済フォーラム第四次産業革命日本センター)

Privacy, Law, Personal Data Protection, Pseudonymised Data


個人情報保護法は医療情報の取り扱いの基礎となる法律の一つである。個人情報保護法の3年毎見直しが2020年になされた。同改正には、仮名加工情報の導入、いわゆるリクナビ事件への対応としての第三者提供規制の強化や本人保護の強化、医療・医学研究を含む公益目的での利用に関する明確化等が含まれており、医療情報の取り扱いにおいても考慮すべき点がいくつか存在する。例えば、規制強化に関してCookieに関する規制も含まれるとも考えうることや本人の権限強化の観点から、医療情報ベンダーにおいても対応が求められる部分が存在する。あるいは、医療情報に関して、匿名加工情報ではなく仮名加工情報(従来の連結可能匿名化をした情報に近いものと思われる)として扱うようなケースも今後出てくるであろう。研究に関しては引き続き個人情報保護法の適応除外になることや、従来の医療・介護分野におけるガイドラインでの要求事項に鑑みれば、必ずしも大きな変更はないかもしれないが、そうした点も含めて検討をした結果を紹介する。
また、かねてから指摘のあった個人情報保護法制2000個問題の解消に向けた個人情報保護法改正の検討も進められている。まず行政機関や独立行政法人等と民間の規律の統合を行うことで、自治体立以外の医療機関に関しては個人情報保護の法律の統一化がなされることが期待されている。さらに、自治体の個人情報保護条例に関する対応も検討されており、これが実現すれば、地域医療連携などでの医療情報の取り扱いに大きな影響がある。
本報告は、これらの個人情報保護法制改正の動向を紹介した上で、特に医療情報の取り扱いにおいて注目に値する点、今後のさらなる改正が必要と考えられる点に関する見解を述べる。