[5-C-2-02] 次世代医療基盤法におけるePath等のデータ利活用のあり方の検討
Next Generation Medical Infrastructure Law, ePath, Anonymously Processed medical information, Opt-out by notification
背景 次世代医療基盤法(以下、本法)が施行された。目的本法の利点は、認定事業者には各機関から個人情報で診療データの提供が可能な点、提供後は各機関の管理責任がなくなる点、多施設で名寄せ可能で広範囲多角的な比較が可能な点があげられる。一方で、患者に対する通知によるオプトアウト実施は医療機関の負荷となる。本法が目指す適切なデータ利活用を促さなければならない。方法我々が参画するAMED事業クリニカルパス標準データモデル(ePath)の開発および利活用ではePathと診療データの統合解析のため、ePathリポジトリデータモデルをXMLで定義し、各パスデータを格納するが、これを本法に対応したSS-MIX2をコモンデータモデルとするDB(FAST-HDJ 基盤)への格納検証、倫理的観点での検討、ePath普及の運用検討をし、他施設間や多目的なデータの利活用の在り方を検討した。結果FAST-HDJ基盤は柔軟な形式でデータ格納が可能で、e-Path事業の標準リポジトリデータの格納と匿名加工が可能な点が検証できた。またDPC様式1,EFファイル、レセデータも格納でき、横断的データの解析に有効だった。本法のスキームの活用には通知によるオプトアウトが必要で、運用上の工夫も必要で今後検討を深めたい。考察ePathはFAST-HDJ基盤で比較的容易にハンドリング可能であった。FAST-HDJ基盤は大量データの高速処理が可能で、飛躍的なデータ増加にも対応でき様々な分析に提供可能と考えられる。各機関での通知によるオプトアウト運用は継続検討が必要で、新型コロナ感染防止の面で人が手渡しせず設置された状態で患者が自発的に受取る方法も考えられるが、本人への「通知」の意味を成すには、理解促進へのポスター掲示、補助資料の配布は必須で、それ以前に本法にある通り、国の責務として国民の理解の増進を図る広報を進めるべきである。