Japan Association for Medical Informatics

[2-A-3-04] Current status and issues of multidisciplinary collaboration from the perspective of the nursing department

*Akiko Fujii1 (1. Nagoya University Hospital)

医療の質や安全性の向上及び高度化・複雑化に伴う業務の増大に対応するためにチーム医療の重要性が注目され、厚労省では2009年からチーム医療の推進に関する検討会・委員会を開催し推進に努めた。10年以上が経過し、現在患者・家族中心に質の高い医療を提供するためには、多職種連携が当たり前と言われている反面、臨床の現場において、多職種連携が果たして機能しているのか疑問に感じる状況が少なくない。
 例えば、患者・家族と医療者間のコミュニケーションが十分でない場面、情報共有をしていれば防ぐことができたインシデント、コロナ禍での病院と地域間における非対面での情報共有不足、等が挙げられる。
 病院において看護部門は最大の職員数を抱えていることから、病院運営等に大きな影響を与える部門である。最大の職員数を抱えていることで情報網が広く、指示命令系統が明確であることから、情報を集約することに長けている。また、看護学教育モデル・コア・カリキュラムにおいても、それぞれの職種に求められる基本的な資質・能力として、チーム医療や多職種との協働が明記されている。さらに、看護師は、あらゆる医療現場において、診察・治療等に関連する業務から患者の療養生活の支援に至るまで幅広い業務を担い得ることから、いわば多職種連携である「チーム医療のキーパーソン」として、患者中心の質の高い医療を提供することが可能となる。看護師間、看護師と多職種の情報連携(共有)が機能した場合、迅速な初動対応から診療の継続につなげることができる。特に有事や緊急時にその真価が発揮される。
 医療の質的な改善を図ること、効率的な医療サービスを提供すること、この二つを成立させるためには、「情報の共有」が重要な視点と考える。
 平時と有事において「情報の共有」という視点で、臨床現場での実際例をもとに、看護部門からみた多職種連携の現状と課題についてお話しする。