一般社団法人 日本医療情報学会

[2-A-4-04] ポストコロナ時代における医療資源適正化のための地域診療データ解析に向けて

*佐藤 菊枝1,2、小林 大介3 (1. 東海国立大学機構 医療健康データ統合研究教育拠点、2. 名古屋大学医学部附属病院 メディカルITセンター、3. 神戸大学大学院医学研究科 医療システム学分野)

リアルワールドデータRWDの利活用が増加し、さらに臨床的な判断や医療政策の策定を支援するなどリアルワールドエビデンスRWEとしての創出が期待されている中、地域診療データ基盤として、タイムリーなデータ収集と蓄積、地域性に特化したビックデータ解析に向けたプラットフォームを構築してきた。
 行政との協調による愛知県・岐阜県の主要病院からのDPCデータの統合や、そのデータベースから疾患別に地域ごとに見られる医療提供体制の違いを鮮明にすることで、地域医療計画に資する事例分析も行ってきた。
 さらに地域医療構想や地域健康医療計画においては病床機能の分化及び連携の推進がこれまで以上に求められ、新型コロナウイルス感染症の拡大により新たな課題も生まれてきている。従来とは異なる新たな感染症へ対応する診療動向を捉え、適切な医療資源の配置と調整機能を活かした、ポストコロナ時代における医療資源の適正化・連携を強化していくためには、地域の診療データの共有を基盤にした強固な連携と実践が必要である。
 このようにデータに基づく医療ニーズを捉えて、県、医師会、各医療機関、介護事業所等の地域にフィードバックし情報共有することで連携支援を促進する‘データエコシステム’としての循環とデータ解析における共通アナライザーを活用した‘データパイプライン’としての情報分析基盤へ発展させていきたい。