一般社団法人 日本医療情報学会

[2-B-1-02] 流通業から見たGS1バーコード等の義務化とその先の医療機関での利活用に向けて

*冨木 隆夫1 (1. (一社)日本医療機器販売業協会)

【医療でのGS1標準バーコード活用への期待】
販売業は「必要な時」に「必要な物」を「より効率的」に医療現場に供給するという役割を担っている。医療機器はサイズ違いもあるため種類も多く、使われる量も多い。当然ではあるが、有効期限の管理や不具合に備えた納品の記録なども求められる。このような状況で、ITを活用した効率的で管理レベルの高い業務が求められるが、その基礎となるのが標準バーコードである。医療現場での活用により注文情報や物流情報の電子化が進むためスムーズな業務連携への転換を期待している。
【活用のための環境整備の取組み】
バーコード表示は進みつつあるものの、一部に表示がないものや適切な表示になっていないケースもあり、改善が必要である。医療機器販売業協会(通称:医器販協)が中心になりこの取り組みを推進している。 バーコードを利用するには、読み取ったコードが何を表しているかの情報(マスタ)が必要である。販売業各社・各医療機関がそれぞれ個別に商品マスタ整備するのは非効率である。医器販協では、標準バーコードが業界全体に浸透するための活動の一環として共通的な商品マスタの提供も進めきている。医療機関における活用の動きが高まる中、この商品マスタを拡充して医療機関でも使える仕組みへのバージョンアップに取り組んでいる。
【これからの医療機器管理の在り方】
一部の医療機器ではRFIDタグによる管理も始まっており、より効率的で着実な医療機器管理が進展いくであろう。また、標準GS1コードでの管理は商品を同じコードで認識しあえることになり、サプライチェーン全体を通じて共通言語で情報がつながることになり、トレーサビリティを確立することができる。このような取り組みも始まっており、医器販協としても関係組織と連携してこの動きを推進している。