Japan Association for Medical Informatics

[2-B-1-03] Traceability in SPD operation

*Komei Kikuchi1 (1. SPD Association)

本邦においてSPD(Supply Processing & Distribution)が導入され30数年が経過したが、現在、急性期の病床規模の大きな病院の多くが何らかの形でSPDを導入している。病院が外注する業務に政令8業務があるが、その他の外注業務としてSPDは医療安全、医療経営に貢献する面が少なからずある。医薬品においては薬剤部(長)が病院のゲートキーパーとなり採用、購買、トレーサビリティを含む品質管理を担っているが、一部の病院を除き、医療機器すべてにつき広範な知識や権限を持つ担当者(部署)がいない。また医療機器は、医療材料から機器、日用雑貨品、薬剤部扱いとならない医薬品/体外診断薬等があり、マスターの整備に多くの労力を必要とするが、病院自身が多岐にわたる物品のマスターを管理するのは容易ではない。行政の指導により医療機器にGS1コードの表示が義務付けられることになったが、病院全体の物品を一元管理する際にはGS1のみで一気通貫の管理をすることはできず、SPD事業者はソースマーキングされたGS1コードを活用しつつ、独自のインハウスコードを附番した上での管理が一般的である。多くのSPD事業者はソースマーキングの情報を読み取った上で、品番、型式、使用期限、ロットやシリアルをデータベースに蓄積したり、インハウスで発行のラベルに印字したりして管理を行っている。SPD事業者が購買した時点から、流通加工し医療現場に配置し、医療担当者が使用、消費した時点までをインハウスコードでトレースを行っている。回収情報を受けた際には、ロット、シリアル単位で、どの部署に配置されているか、あるいは既に使用/消費されたかの情報を、ほぼリアルタイムで把握することができる。インプラントや心臓血管系カテーテルなどは患者情報と紐づけしたデータを病院にフィードバックする仕組みを提供することも多い。医療機器のトレーサビリティ、医療の効率化につき、病院とSPD両者によるGS1の有効活用、連携を含めた運用について考察をする。