Japan Association for Medical Informatics

[2-B-2-02] Effective use of ICT for COVID-19 related medical care

*Hiromitsu Kusafuka1, Singo Fukasawa2, Kazutoshi Matsunami3 (1. Department of Internal Medicine, Matsunami General Hospital, 2. FMD Center, Matsunami General Hospital, 3. Department of Internal Medicine, Matsunami General Hospital)

COVID-19 Pandemic, Infection Control, Improving Medical Care Efficiency, ICT, Claris FileMaker

COVID-19は、ワクチン接種が進む一方で、変異株や不十分な人流抑制に伴って流行を繰り返している。ここでは、流行第2波以後の当院におけるICTの有効活用について述べる。
COVID-19の増加とともに発熱患者の診療が大きな問題となり、接触・飛沫予防策が必要な診療を建物外で完結することで感染を防止し、効率的な発熱診療を行うため、駐車場内に発熱外来ユニットGifu CUBEを設置、2020年12月から運用を開始した。
入院病床の増床に伴い、非接触オンラインケア用iPad、監視用ネットワークカメラを追加、動作検知、360度監視型に変更し、患者の動きを遠隔モニターしている。一方、入院後にCOVID-19と診断された場合の感染リスクを最小化するため、入院時スクリーニング方法を検討し、健康チェックシートの使用とともに2021年1月から運用を開始した。
PHSの代替通信機器として、2021年2月以後、iPhone 800台を導入した。相互内線通話、外線発信が可能となり、交換手通話中のストレスが軽減した。さらに電子教科書、Web会議、ビデオ通話、翻訳、メッセージ、掲示版、チャット、勤怠管理等に活用しており、面会や会議のオンライン化と迅速な情報共有、職員間コミュニケーションの改善が進んでいる。
当院は、医療従事者へのワクチン接種、集団接種、個別接種に加えて、1万人以上を対象に職域接種を受託している。個別接種は、電子カルテ上にワクチン予約枠を設定し、来院時の予約に限定することで、混乱を避けて予約数をコントロールした。職域接種では、LPWA(Sigfox)通信機能を備えた温度計とFileMakerで開発した温度監視Appを組み合わせ、解凍したワクチンの遠隔温度管理に活用している。
COVID-19感染対策には、変化への迅速な対応が要求される。当院では、ICT機器、病院情報システムや院内開発Appを活用することで、COVID-19関連診療に伴う感染リスクの低減や業務の効率化をはかり、ワクチンの予約や保管管理に関しても、短期間でニーズに対応し成果をあげた。