Japan Association for Medical Informatics

[2-B-2-03] The Medical Support System for Treatment Hubs for COVID-19 Patients

*Yasuhito Yamamoto1 (1. Tokyo Metropolitan Hiroo Hospital Management Planning)

COVID-19, Medical Support System, ICT, Infection Control

都立広尾病院は流行第三波に対応し1月下旬からICUを含む8病棟、2月から全病棟をCOVID-19病棟として運用を開始した。対応病床240床という設定は、陰圧室を持たず築40年6床大部屋の躯体で運用するのは難しく、入院患者にも制約のある療養環境となった。対象は原則軽症中等症とされたが、他の都立病院の重症者バックベッドも兼ねるとともに院内重症化もあり、挿管患者など東京都基準の重症病床12床も第五波でオーバーフローし、転院搬送もできず中等症の受け入れ制限が時に生じることになった。

こうした状況下においても破綻しないよう、最大の応需を行うため院内で作成したCOVIDダッシュボードが役に立った。流行当初は行政、民間委託、院内などPCR検査だけでも複雑な運用が行われ、毎日の症例数報告、検査結果報告なども煩雑を極めた。発熱外来テンプレートを中心にオーダーを一元化するダッシュボードを作成、電子カルテオーダーをラップすることで、発生届けの作成管理、各種同意作成、結果連絡漏れ防止、各種報告、謝金請求、ホテル療養管理など一連の業務がワンストップで実施可能なシステムを作成した。電子カルテと双方向連携しカルテを開くと自動的に画面展開し、各職種間の記載を比較し記載漏れの質的監査を行い、齟齬を指摘し補完を可能とした。のちに特例承認薬の同意形成、発注管理、報告データの作成、サマリー下書き機能、臨床研究支援、売店オーダリングも追加している。

 パンデミックにより感染症管理に政治が介入し、報告する重症度もその都度変更されるという事態となったが、電子カルテのみならず重症系サブシステムや個々の人工呼吸器ともリアルタイム接続したダッシュボードにより、同じ基準で全体を俯瞰できた。第五波で発生した重症病床逼迫による全COVID応需困難に対して、戦略的行動を可能とする各種定量値を正確かつ迅速に算出することで、破綻を逃れ病棟改変等迅速に対応することができた。