Japan Association for Medical Informatics

[2-B-2-04] How to Share Information Between Public Health Center and Receiving Hospitals for Covid-19 in Sapporo.

*Shuji Uemura1, Ryuichi Nakayama2 (1. Sapporo Medical University, Department of Emergency Medicine, 2. Sapporo Medical University, Department of Emergency Medical Services, Life flight and Disaster medicine)

COVID-19, Information system, Public health center

はじめに:札幌市のCovid-19対応は第1波から第4波まで、陽性者数の都度の増大により、それぞれ新たな対策を課せられた。さらに変異株感染拡大は日々対応が変わる中で迅速性を求められた。第2波で確立した受入れ医療機関と保健所の情報共有の仕組みがこのような困難な状況を乗り越えられた要因の一つと考えられたため、情報共有の視点で札幌市のCovid-19対策について後方視的に分析した。
方法:札幌市の保健所と医療機関の情報共有に利用されている①Covid19受入れ数共有システム=「CovidChaser」、②メーリングリスト③web会議について後方視的に調査した。
結果:①「CovidChaser」への参加医療機関は15医療機関から始まり現在34医療機関まで増えており、妊婦などの項目も追加しニーズに合わせて都度変更した。札幌市内だけでなく北海道全体に拡大されたため各地域の状況が共有可能となった。②メーリングリストの参加者は207名まで増加し、新たな受入れ施設を都度メーリングリストに追加し双方向性の情報交換に貢献した。また陽性者の増加とともに保健所からの連絡や受入れ医療機関からの要望や共有事項の情報交換が活発になり、変異株の新たな対応にも情報交換が活発になっていた。③web会議は本年4月に保健所が新体制になってから頻回に開催された(9回)。以前は管理者の集合会議が主であったが、web会議は実務者の参加が多く現場の声を聞くことが可能となった。
結語:札幌市では第2波時に構築した保健所と受入れ医療機関の情報共有システム(CovidChaserとメーリングリスト)により、従来の体制では困難と考えられた迅速な対応が可能となり第3波までを乗り切ることができた。本年4月からはweb会議を頻回に行うことで現場の意見を反映した体制作りが可能となり、第4波も最小限の犠牲で乗り切ることができたと考えられた。