[2-B-2-05] 横断的ICU情報探索システムCRISISを用いた全国規模のCOVID-19重症患者の把握とECMOnetによるその活用
COVID-19, Extra Corporeal Membrane Oxygenation, VV-ECMO, patients database
我が国でCOVID-19患者における死者が発生する前の2020年2月はじめに日本集中治療医学会、日本救急医学会、日本呼吸療法医学会の有志60名余りが集合し日本COVID-19対策ECMOne(以下ECMOnet)が結成された。本年よりNPO法人化したこのECMOnetの事業は大きく二つに分けることができる。一つはCOVID-19重症肺炎患者の人工呼吸管理/ECMO管理について全国の医療施設に対する24時間電話相談窓口(状況が許せば遠隔ICUを擬したシステムや、現地派遣を施行)と各施設に対するサポート体制の確立、そしてもう一つはCOVID-19重症者(人工呼吸もしくはECMO管理を要する患者)の経過を追ったデータベースを構築である。このデータベースCRISIS(横断的ICU情報探索システム, CRoss Icu Searchable Information System)は日本集中治療医学会専門医認定施設、日本救急医学会救急科専門医指定施設を中心に全国の700以上の施設に呼びかけを行い、2020年2月15日から運用を開始、7月までに600施設以上(日本のICUベッドのほぼ80%)の参画を得られ、2021年8月1日現在、678施設が参画している。2020年4月末にはダッシュボードの公開を行い(https://crisis.ecmonet.jp)、それ以来、他に類をみない形でECMO患者、人工呼吸患者の実態を公開している。2021年7月末現在それぞれ800例、6000例(あわせて6800例)を越えるECMOおよび人工呼吸症例を集積している。2021年6月には、医療逼迫寸前の沖縄県にECMOnetからのべ100人/日を越える医師、看護師、臨床工学技士を派遣し現地で重症者搬送、ECMO導入などの支援を行った。本公演ではこれらECOnetのこれまでの活動について概括させていただく。