Japan Association for Medical Informatics

[2-B-3-01] パンデミック時の海外渡航におけるデジタル証明の意義

*Hirofumi Okoshi1 (1. Nishi-Shimbashi Ckinic)

COVID-19によるパンデミックは国際間の移動に大きな影響を与えることとなり、多くの国が渡航者に対してPCR検査による非感染証明書の提出を求めている。また、最近では、ワクチン接種証明を導入する国も増えてきている。日本政府は、その対応策として、ワクチン接種証明書を住民票のある市町村より発行できる仕組みをスタートさせた。 問題はPCR検査、ワクチン接種証明ともに書面での証明である点である。書面による証明書は、受け渡しや内容の確認等で、渡航者、医療機関、空港関係者に大きな負担が生じさせてしまう。さらに、偽造、情報セキュリティー上の問題もある。ワクチンについては、その有効性、有効期間が十分に解明されてないことより、今後追加接種や中和抗体が証明に追加される可能性がある。これらの変化に対応するには、書面による証明では限界がある。 その解決策として、早急に実現が求められているのが証明書のデジタル化である。デジタル証明の発行システム求められる条件として、携帯電話に証明が表示され、内容が容易に確認できる。真正性、安全性が高い。渡航先の国から求められる要件(検査証明、ワクチン証明など)をすべて表示出来る。入国要件に適合していることを自動的に判定してくれる。証明の追加ができる。費用が安価である。などがあげられる。 今後、流行が収束に向かい、海外渡航が再開されるのもそれほど遠い将来ではない。早期デジタル化の実現には、既存のシステムを活用することも検討すべきであろう。なお、証明書のデジタル化は、 COVID-19関連以外の証明にも活用することができる。海外渡航に必要なビザ関係の書類、ワクチン接種証明書、入学に必要な書類、医療機関への紹介状などがデジタル情報として保有できることは渡航者に大きな利益をもたらすであろう。