[2-C-1-02] PHRアプリ開発の課題・J-DREAMSの経験から
糖尿病の治療実態や合併症の状況を定期的に把握することは、現在の診療状況を評価・分析するだけでなく、経時的な比較を行う上でも必要である。糖尿病診療の実態調査による基礎データを用いることは、合併症抑制などアウトカム改善のためによりよい診療指針を決定するために必須である。 そこで、データ入力の時間と労力を減らし、投薬や検査結果などの自動取り込みを行うことで、登録患者数・収集項目・データポイントの増加を容易にし、リアルタイムでの状況把握を行い得るデータベース研究が企画された。それが国立国際医療研究センター(NCGM)が日本糖尿病学会と共同でおこなっている、Japan Diabete compREhensive dabase project based on an Advaced electronic Medical record System: J-DREAMSである。患者の背景情報や日常臨床の状況は、糖尿病標準診療テンプレートを用いて入力し、ベンダーごとの電子カルテの違いを乗り越えるためにSS-MIX2標準データ格納システムを用いて蓄積され、多目的臨床データ登録システム(MCDRS)を使用してデータ抽出と送信が行われる。現在63病院、患者約70,000人が登録されているが、データの収集、整理、要約情報としてアウトプットするまで様々な課題があった。どのようにしてそれら課題を見つけ、解決し、さらには解決困難なままになっていることを共有したい。さらには現在、様々なライフ・レコーダーの記録を電子カルテに格納する、さらには記録の一部を電子カルテで閲覧するべく試みているが、こちらも課題山積であることが判明したが、解決すべく各方面と協議を進めている。これらの経験がPHRアプリの開発と連携の課題と共通すると思われるので、講演で披露したい。