[2-C-1-03] PHRを利用した慢性疾患自己管理支援システムの有用性と普及実装
ICT/IoTの利活用は2型糖尿病の発症や重症化に有用であると期待されている。新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)感染症COVID-19のパンデミックに伴い、本邦でも感染拡大をコントロールするため、社会全体でオンライン化が進められている中、医療においても時限的・特例的な取り扱いとして初診からオンライン診療が可能となり、パンデミック後の継続に向けた議論も行われている。1実際、従来の診療・治療形態に、オンライン診療やICT/IoTを用いた自己管理、PHRの利用を組み合わせた、医療におけるオンライン化の推進についても積極的に議論されているところである(日本糖尿病学会、第4次「対糖尿病戦略5ヵ年計画」)。 AMEDの循環器疾患・糖尿病等生活習慣病対策実用化研究事業/腎疾患実用化事業である、「ICTを活用したDiabetic Kidney Diseaseの成因分類と糖尿病腎症重症化抑制法の構築」(2017-2019年度)において、DialBeticsを改修したDialBeticsPlusを用いてdiabetic kidney disease(DKD)の患者(糖尿病腎症2期)を対象に糖尿病腎症の進展予防に当システムが有用であるかをランダム化比較試験によって検証した。8医療機関(東大病院、横浜市大病院、藤沢市民病院、横浜南部病院、横浜市大センター病院、横浜労災病院、茅ヶ崎市立病院、三井記念病院)が参画し2021年4月に試験を終了した。従来治療群と比較して、システム使用群では、1年後のHbA1cは有意に改善し、システム利用の継続性も良好であった。 今後、実装に向けて進めていく予定である。