Japan Association for Medical Informatics

[2-C-2] Problems with drug-related records - Think about the history of medicines -

*Kazuyuki Ikeda1, Masahiko Kimura2, Fumito Tsuchiya3, Atsushi Takada4 (1. Department of pharmacy, Nara Medical University Hospital, 2. Japanese Association of Healthcare Information System Industry, 3. Reserch Organization for Medication Safety Use, 4. Kyushu Univ. Hosp)

drug-related records, drug history, Prescription, Dispensing, Taking medicine

医薬品に関連する情報は、「もの」に付随する情報から患者への服薬指導など「ひと」に付随する情報まで幅広い。昨年度の共同企画では、「薬剤情報の連携のこれからと課題」として薬剤師法等の改正に伴う薬剤関連の記録について議論した。その中でも特に医薬品の履歴(以下、薬歴とする)に関する課題が取り上げられた。
一方、令和2年に公表された政府の「データヘルス集中改革プラン」でも、電子処方箋の仕組みの構築や自身の保健医療情報を活用できる仕組みの拡大など、薬剤領域の事項が取り上げられている。さらに、本年10月にはマイナンバーカードによる保険資格確認の基盤を利用した薬剤情報の連携も予定されており、これらからも「薬歴」の在り方を考える必要がある。  本来「薬歴」とは、診療報酬の薬剤服用歴管理指導料算定のもととなる薬剤服用歴であるが、広義の解釈では患者の医薬品に関する履歴と理解できる。したがって患者の医薬品に関する履歴には、1)医師が発行した処方箋の履歴、2)処方箋により薬剤師が調剤を行った調剤歴、3)調剤の結果患者が受け取った医薬品を服用した服用歴がある。さらに4)病院や薬局等が診療報酬の請求を行ったレセプトの薬剤履歴、5)お薬手帳などPHRとして患者が個人で管理する薬歴、6)病院等に持ち込んだ薬品の記録である持参薬歴など様々ある。これら薬歴は、医療機関内では処方歴と調剤歴が連携していないにもかかわらず持参薬歴は部分的に連携し処方歴と同じ履歴として管理されている。
今回のワークショップでは、医療現場の有識者からこれら現状の課題や問題点を提示し、あわせて電子カルテベンダ(キヤノンメディカルシステムズ株式会社、日本電気株式会社、富士通Japan株式会社、日本アイ・ビー・エム株式会社)から事前に提示した薬歴に関する調査への回答を示す。その後これら内容を踏まえ、薬品の履歴に関する課題とあるべき姿をディスカッションしたい。