[2-E-1-03] レセプト情報における病名・病名開始日を用いた名寄せロジックの開発
KDB, Patient-Matching Technique, Administrative Claims Database, Electronic Health Record, Patient Identification
【目的】 レセプト情報の活用には正確な名寄せが重要である。しかし、国保データベース(KDB)の個人IDやレセプト情報・特定健診等情報データベース(NDB)のID1は被保険者番号主体であるため、国民健康保険(国保)から後期高齢者保険制度に移行した場合など、保険者が変わることで名寄せIDも変化することが課題である。本研究では、保険者が変わってもNDBのID2のような名前主体のIDを用いずに、正確な名寄せを可能にする新たなロジックを開発する。
【方法】 我々は、2013年度から7年間の奈良県KDBのデータを用い、生年月・性別・傷病名・診療開始日の組み合わせにより新名寄せIDを生成した。奈良県国保団体連合会が有する保険者台帳をもとに作成した台帳IDを正解データとした。個人IDのうち台帳IDによって他の個人IDと紐づき、同一医療機関の外来レセプトが発生したものを対象とし、同一の/異なる台帳IDに対応する新名寄せIDが紐づく場合を正/誤と判定した。
【結果】 対象の台帳ID数は69,988(個人IDの組み合わせの総数は9,796,570,300件でそのうち正しい紐づけは69,988件)であった。真陽性(正しい紐付けの事例)は62,643件、偽陰性(紐付けられなかった事例)は7,345件、感度 0.90、特異度 1.00、陽性的中度0.99、陰性的中度1.00であった。また、誤った紐づけは1億組あたり4.7組であった。一方で、同一医療機関を受診しなかった個人IDの組み合わせ(23,222件)では本手法での名寄せはほぼ不可能であった。
【結論】 台帳IDは奈良県と他の都道府県とで仕様が異なり、他の地域のKDBやNDB等の他のデータベースへの展開は難しい。そこで本研究では、個人を紐づける新たなロジックを開発した。本手法により個人IDが変化する前後で同一医療機関を受診した事例ではほぼ名寄せ可能と考えられた。
【方法】 我々は、2013年度から7年間の奈良県KDBのデータを用い、生年月・性別・傷病名・診療開始日の組み合わせにより新名寄せIDを生成した。奈良県国保団体連合会が有する保険者台帳をもとに作成した台帳IDを正解データとした。個人IDのうち台帳IDによって他の個人IDと紐づき、同一医療機関の外来レセプトが発生したものを対象とし、同一の/異なる台帳IDに対応する新名寄せIDが紐づく場合を正/誤と判定した。
【結果】 対象の台帳ID数は69,988(個人IDの組み合わせの総数は9,796,570,300件でそのうち正しい紐づけは69,988件)であった。真陽性(正しい紐付けの事例)は62,643件、偽陰性(紐付けられなかった事例)は7,345件、感度 0.90、特異度 1.00、陽性的中度0.99、陰性的中度1.00であった。また、誤った紐づけは1億組あたり4.7組であった。一方で、同一医療機関を受診しなかった個人IDの組み合わせ(23,222件)では本手法での名寄せはほぼ不可能であった。
【結論】 台帳IDは奈良県と他の都道府県とで仕様が異なり、他の地域のKDBやNDB等の他のデータベースへの展開は難しい。そこで本研究では、個人を紐づける新たなロジックを開発した。本手法により個人IDが変化する前後で同一医療機関を受診した事例ではほぼ名寄せ可能と考えられた。