Japan Association for Medical Informatics

[2-E-1-07] 家族健康記録「薬シェア」の開発と評価

*Honoka Utsumi1, Ayumi Inoue1, Moe Kikuchi1, Yuiko Matsuo1, Yukiko Uematsu1, Masaaki Tanaka1 (1. 川崎医療福祉大学 医療福祉マネジメント学部 医療情報学科)

Family Health Record (FHR), Personal Health Record (PHR), electronic medicine notebook, medication assistance system, health monitoring system for elderly

【背景】
 高齢者は多種類の薬を服用することが多く、飲み忘れや飲み残しが問題となっている。また、複数の医療機関を利用している場合は同じ効用の薬が重複する可能性があり、多剤服用は副作用を起こすなど、健康への悪影響も懸念されている。それらの問題を解決するための電子お薬手帳アプリが数多く開発されているが、多機能故に高齢者が利用するには複雑で扱いにくいという問題がある。
【目的】
 遠隔地に住む高齢者やその家族が安心して薬を利用できるよう、既存の情報通信技術を活用した服薬支援システムを開発した。家族が離れて暮らすお年寄りを見守るというコンセプトで高齢者の薬の飲み忘れ防止機能や服薬情報を家族で共有できる機能を実装し、その有用性について考察した。
【方法】
 高齢者への使いやすさ、家族での情報共有の観点から、LINE公式アカウントとスマートスピーカを使用して、服薬情報の共有機能、QRコードから処方情報をカレンダー展開して管理する機能、服用中の薬剤を信頼性のあるWebサイト上の薬剤情報へリンクして家族が効能など詳細を調べる機能を実装した。また高齢者の薬の飲み忘れ防止機能としてスマートスピーカを用いて服薬時間を知らせる機能、音声で服薬完了や血圧を記録できる機能を実装した。
【結果】
 服薬情報をカレンダーに展開することで、遠くに離れて住む家族は、高齢者の服薬状況や薬の名前と詳細を容易に確認することが可能になった。また高齢者が利用する機能はスマートスピーカによる音声操作を用いたため、高齢者でも使いやすい仕様を実現できた。情報通信技術を用いた服薬支援システムは、服薬に対する高齢者と家族の不安を解消し、実用的で有用な結果をもたらした。
【考察】
 独居老人が増加する中、高齢者の服薬に対する不安、問題はこれから益々増えていく。既存の情報通信技術を活用し、誰もが使いやすい服薬支援システムを開発、普及させていくことが望まれる。