[2-E-3-04] 狭心症の重症度と看護必要度の関連性についての検討
Angina , DPC/PDPS, Team medical
【背景と目的】循環器疾患は日本における主要死因の1つであり急性期治療や後遺症のために、患者個人や社会負担が増大している。そこで、狭心症の重症度による看護必要度を調査し関連要因を検討した。【方法】対象データは2016年10月~2017年3月のDPC6桁コード050050(狭心症)452例の他施設データとした。分析方法として、各DPC14桁コード別に実入院期間と規定の入院期間Ⅱの数値を確認し、入院期間Ⅱ延長の有無に群別し各数値を比較した。また、CCS分類データにより2群に分け(Ⅰ群:1~2、Ⅱ群:3~4)重症度別群間比較をした。数値の比較にはMann–Whitney のU 検定、X2検定を使用した。また、重症度との関連要因の検討としてロジスティック回帰分析(ステップワイズ法)をした。統計学的有意水準は5%未満を有意差ありとし、研究者所属機関と各医療機関の倫理審査委員会の承認を得た後にデータ取得を行った。【結果】対象データは、平均年齢69.2±10.3歳、男性354例、女性98例、平均入院日数5.2±6.5日、並存症は高血圧129例、糖尿病(2型)49例、高コレステロール血症22例、脂質異常症22例、手術なし260例手術あり症例192例、分析結果①入院期間Ⅱ延長の有無2群を群間比較すると入院期間Ⅱ越え群のA得点が有意に高い結果となった。②CCS分類を2群に分け(Ⅰ:1~2、Ⅱ:3~4)群間比較したところ、1群はB得点が2群はC得点が有意に高かった。③CCS分類2群を目的変数としたロジスティック回帰分析では、手術の有無、救急搬送の有無、入院日数の順でオッズ比が高値であった。【考察】入院期間延長要因として、A得点が有意に上昇したことより、入院中の処置とケアが十分に必要な患者像であることが考えられた。また、重症度が上昇すると周術期管理も必要となりチーム医療の重要性が高まることが理解できた。