一般社団法人 日本医療情報学会

[2-F-2-04] 臨中ネットの人材育成のスコープと活動状況

*向井 まさみ1、宮原 冬佳2、高田 敦史2、田中 勝弥1、三原 直樹1、中島 直樹2 (1. 国立がん研究センター中央病院、2. 九州大学病院 メディカル・インフォメーションセンター)

human resource development, real world data, data driven

リアルワールドエビデンスの創出と活用には、様々な医療情報を統合解析する際の礎となるデータの信頼性の担保は不可欠である。米国をはじめ欧米諸国においては、安価で効率的な医学研究を可能にするためのインフラ整備を進め、リアルワールドデータの利活用の積極的な推進を図っているところであり、わが国においてもリアルワールドデータの利活用基盤整備が急務となっている。このため、AMED(国立研究開発法人日本医療研究開発機構)の「医療技術実用化総合促進事業」(以下「本事業」という。)においては、病院情報システム内の医療情報データの品質確保メカニズムを病院内に構築するとともに、あわせて臨床研究中核病院間でのデータ相互利用を可能にする標準化を図ることを目的としたプロジェクト(以下「本プロジェクト」という。)を開始することとなった。 本プロジェクト遂行のためには、データ収集管理のための基盤システムの企画・設計・導入・運用や収集するデータの品質管理等を担う人材とその育成が不可欠である。そこで、本プロジェクトでは、病院情報システムを用いたデータ駆動型臨床研究を、高品質の2次利用データを得て臨床研究者とデータサイエンティストが実施するために、適正なデータ入出力、標準化および品質管理を行うことのできる人材を育成することを目的にサブワーキング”SWG2A”を立ち上げた。2020年度までに、この人材に求められるスキルセットを整理するとともに、本事業参加機関での人材配置状況を確認した。また、2021年度は、人材育成を目的としたセミナーを企画し、シリーズで実施しているところである。今回は、従来のSWG2Aの対象とする人材育成の概要と、まずは初学者を対象として実施しているセミナーの概要を報告し、将来にわたって病院情報システムを用いたデータ駆動型臨床研究を支えることができる人材像について検討を行いたい。