Japan Association for Medical Informatics

[2-F-3-01] 「医療機関において安心・安全に電波を利用するための手引き」改定と電波利用のための環境整備に向けた総務省の取組

*Shima MATSUMIYA1 (1. Electromagnetic Environment Division Radio Department, Telecommunications Bureau Ministry of Internal Affairs and Communications (MIC), Japan)

Radio Wave, Medical equipment, Safety Management

1 はじめに
 近年、電波を用いる医用テレメータ、無線機能付き医用電気機器、スマートフォンなど、様々な電波利用機器が医療機関において活用されるとともに、新型コロナウィルス感染症の発生をきっかけとして、オンライン診療用無線端末やオンライン面会端末、無線型監視カメラ等の導入が広がっている。これらの機器の活用は、医療の質の向上や効率化に不可欠であり、その電波管理等が適正になされていない場合には、高度な医療ICTシステムを導入する際の弊害となるだけでなく、患者の安全に対する脅威となることから、安心・安全に電波を利用するための環境整備の重要性が増している。

2 総務省の取組の経緯
 総務省は、平成9年(1997年)及び平成26年(2014年)に医療機関における携帯電話等の使用に関する指針を策定に携わるなど、医療機関における安心・安全な電波利用について取り組んできた。
 特に医療機関における電波利用については、「医療機関において安心・安全に電波を利用するための手引き」(電波環境協議会 平成28年(2016年)4月)の検討当初から積極的に携わった。 具体的には、近年利用が急拡大している携帯・可搬型の医用テレメータや無線LAN及び携帯電話を中心に、安心・安全な導入と運用のための情報や、病院側に求められる管理体制についてまとめている。
 本手引きは発行から5年を経過したことから、この度、以下の点を念頭に、電波環境協議会において手引きの改定が行われた。
(1)使いやすさの改善
(2)新たな通信規格への対応
(3)新たなニーズへの対応
 特に無線LANについてはテザリングの扱い、携帯電話関連では5Gへの対応などが追加されている。

3 おわりに
 本シンポジウムを通して、医療機関における電波利用に係る問題点と安心・安全な運用方法が広く認識され、医療の質の向上や効率化が図れられることを期待する。