Japan Association for Medical Informatics

[2-F-3-04] 携帯電話の病院内使用に関する考え方と具体策

*Takashi Kano1 (1. Graduate School of Medical Safety Management, Jikei University of Health Care Sciences)

Mobile phone, Medical electrical device, Indoor base station

平成26年8月に電波環境協議会から出された「医療機関における携帯電話等の使用に関する指針」では、病院内における携帯電話の使用に際しては、医用電気機器(以下、ME機器)からの離隔距離(1m程度)を設けるなど、使用に関して適切なルール作りが求められている。
この離隔距離は、ME機器のEMC規格における推奨分離距離の計算式から算出されたものであるが、各医療機関において独自に行った試験の結果やME機器の取扱説明書等からの情報をもとに安全性を確認している場合は、1m程度よりも短い離隔距離を設定することができるとしている。例えば、最新版のEMC規格に合致しているME機器ならば、規格が担保している30cmの離隔距離を設定できる。
また、携帯電話端末は、携帯電話基地局からの電波の受信状況に応じて、その送信電力が変化する。受信状況が良好ならば、発射される電波の送信電力は小さくなり、ME機器への影響が小さくなる。一方、受信状況が不良の場合は、送信電力は大きくなり、ME機器への影響が大きくなる。特に病院では、建物の構造的な電波遮へい特性で、屋外にある基地局からの電波が届きにくい場所があり、携帯電話の使用に当たってはエリアによる注意が必要である。
しかし、エリアごとの使用制限や離隔距離の周知徹底は医療スタッフの負担になる。そこで、屋内基地局を設けて、病院内各所に屋内アンテナを配置すれば、受信状況は改善されるので、携帯電話によるME機器への影響の可能性は格段に低下し、医療スタッフの負担も少なくなる。現在、ポストPHSとして業務用の携帯電話ならびに屋内基地局の導入が進み、その状況は改善されつつあるが、一般用の携帯電話に関しては、携帯電話事業者各社に対応する屋内基地局システムを導入する必要がある。これにはインフラ整備コストの問題が出てくるが、医療機関における携帯電話使用の安全性と利便性向上のためには、今後推進させるべき課題と考える。