一般社団法人 日本医療情報学会

[2-G-1-01] 国際生活機能分類(ICF)を活用した介護記録による日常生活動作の自立度評価方法の提案と,その評価

*撫中 達司1、内藤 秀峰2、青木 三重子3、小野 健一3、有川 善也3 (1. 東海大学情報通信学部, 2. 東海大学情報通信学研究科, 3. 三菱電機ITソリューションズ)

care records, ADL, ICF ontology

現在,日本では高齢化が進み,2025 年には介護需要に対して約 38 万人の介護人材が不足すると予測されている.介護業務の中では介護記録をつけることが義務付けられており,また,介護施設が「ADL維持等加算」制度等によって 介護報酬を受け取るためにも用いられている. 高齢者のADLを測定する取り組みとして,センサデータから機械学習とオントロジーを活用し評価を行った「機械学習とオントロジー推論を組み合わせた高齢者のFIM採点システムの提案」がある.この提案では被験者やモノ,部屋にセンサを取り付け,得られたセンサデータを機械学習とオントロジー推論を用いてFIM(Functional Independence Measure)評価を行っている.しかし,この先行研究 ではADLのカテゴリの分類までは自動化できているが,ADL自立度評価(FIM点数)の自動出力には至っていない. 本発表では,介護記録に記載された被介護者 の行動を用いることによりこの点を解決し,ADL 自立度評価の自動化を図る.また,現状の多くが介護士による自由記述で記載されている介護記録からの自立度評価における問題点を明らかとし,介護記録による自立度評価を行う上での介護記録の課題を明らかとすることを目的とする.本発表で提案するADL自動生成方法は,介護記録を形態素解析,係り受け解析を行った結果に対して,Comejisyoを用いて語彙の揺れを統一した構文木を作成し,この構文木を用いて,WHOが定義するICF(International Classification of Functioning, Disability and Health)オントロジ―を検索し,ICFコードを生成する.本発表では,ICF自動生成方法と,実際の介護記録を用いた評価結果につき報告する.