[2-G-2-05] Covid-19患者のデータベースから見える死亡患者の背景 ーSPO2値と酸素流量の単回帰分析による研究ー
covid-19, regression analysis, oxygen saturation levels, oxygen flow rate, severity
目的 当院は、2021年3月より軽症および中等症の新型コロナ感染症患者の受け入れ(7床)を開始した。これに伴い、医事および電子カルテシステムより、Covⅰd-19患者データベースを作成した(77項目)。データベースより死亡患者の背景、SpO2値と酸素流量の単回帰分析を目的とした。方法 2021年3~5月退院患者49人を対象とし、以下8項目について解析した。1患者構成 2入退院経路 3感染経路 4症状 5基礎疾患 6治療内容 7入院時から退院時までの重症度の推移 8SpO2値と酸素流量の単回帰分析(標本数1142) 結果 1患者構成は50~70代が6割を占め、性別では男女比55:45となった。当院医療圏内からの患者が82%を占めた。2入院経路はフォローアップセンター84%と最多となり、退院経路では自宅が65%を占めた。3感染経路は不明61%、次いで家庭内感染23%となった。4症状では乾性咳嗽、倦怠感、呼吸苦が上位となった。5基礎疾患では慢性心臓病21件、次いで糖尿病11件となった。6治療内容ではステロイド、輸液・栄養剤投与が最多であった。7入院時軽症者9人中軽快が8人、死亡が1人となった。入院時中等症1:7人中軽快が6人、増悪が1人となった。入院時中等症2:33人中軽快が19人、不変3人、増悪3人、死亡8人となった。8SpO2値と酸素流量の単回帰分析では、説明変数をSpO2値、目的変数を酸素流量とし、決定係数0.31、回帰直線y=―0.4404x+46.109を得た。 考察 上記1~7項目の結果より、死亡9人については、発症~入院までの平均日数が7日間と長く経過し、かつ来院時の重症度では、8人が中等症2と状態悪化後の入院のため、軽快できなかったと考察した。得られた決定係数、回帰直線より酸素流量の効果的な予測にはつながりにくいと結論した。