Japan Association for Medical Informatics

[2-G-3-01] A study on description of frailty in an objective and standardized way

*Kayo Watanabe1, Yuki Takuwa2, Mihoko Okada2 (1. Department of Health Informatics, Faculty of Health and Welfare Services Administration, Kawasaki University of Medical Welfare, 2. Institute of Health Data Infrastructure for All)

健康寿命の延伸に向けて誰もが自身の生活状態を客観的に把握し、管理することが求められる今日、日本医療情報学会課題研究会「栄養・運動・口腔保健・休養の自己管理のための保健医療情報研究会」では、栄養、運動、口腔保健、休養等に関する健康増進の取り組みについて様々な観点から議論を行っている。発表者等は高齢者が、自らの健康状態や生活状態を客観的に把握して、自立と要介護状態の中間に位置する可逆的な状態であるフレイルを把握し、改善にむけて健康管理をはかることを目指している。現在、フレイルの原因となる運動、口腔保健、栄養、休養等の生活習慣の観点に着目した多くの取り組みがあり、様々な評価項目が利用されている。これらの取り組みでは、エビデンスをもって有効性を示していくことが重要であるが、エビデンスの生成には、いかなるデータ項目を取得すべきかが中心課題の一つである。
国際疾病分類(ICD)は、現在ICD-10が広く活用され、その改訂版であるICD-11が、2019年5月世界保健総会で承認された。ICD-11は、疾病概念を含む臨床現場に即した情報体系へと進化し、新たに追加された生活機能評価に関する補助セクション(V章)により、健康状態や生活機能の表現が可能となっている。V章は、基本的に国際生活機能分類(ICF)に基づいている。ICFは、人間の生活機能と障害について、心身機能・身体構造、活動、参加、環境因子の観点からコード化できる。また、保健・医療関連行為に関する国際分類(ICHI)は、現在開発中であるがBeta-3版が公開されており、健康と福祉に関する情報、および個人や集団に提供される医療行為に関する幅広い情報のコーディングが可能である。
そこで今回は、これら世界共通コードであるWHO国際統計分類ファミリー(WHO-FIC)の中心分類ICD-11、ICF、ICHIを活用したフレイルに関する状態の客観的、標準的な記載方法について検討した結果を報告し、その可能性についての議論のきっかけとしたい。