Japan Association for Medical Informatics

[2-H-2-03] 二次元画像分類モデルによる間質性肺炎代表断面像抽出手法の開発

*Jiahao Zhang1, Shoya Wada2,1, Kento Sugimoto1, Toshihiro Takeda1, Katsuki Okada2,1, Shirou Manabe1, Shozo Konishi1, Yasushi Matsumura3,1 (1. 大阪大学大学院医学系研究科 医療情報学, 2. 大阪大学大学院医学系研究科 変革的医療情報システム開発学寄附講座, 3. 国立病院機構大阪医療センター)

Deep Learning, Computed Tomography, Interstitial Pneumonia

【背景】
間質性肺炎は肺の間質を中心に炎症を来して線維化が生じる疾患の総称であり、多様な病型を含む。本邦のガイドラインでは、典型的な特発性間質性肺炎の臨床像ではない場合、予後や治療方針決定のために外科的肺生検による病理組織的診断を行うことが推奨されているが、より非侵襲的な検査による診断補助ツールとして、胸部CTによる深層学習モデルの活躍が期待されている。
【目的】
間質性肺炎患者の胸部CT画像から重症度・予後予測を行うこと。そのために本研究ではまず、軽量な機械学習モデルの学習に使用する代表断面像の抽出器を構築する手法を提案する。
【方法】
当院倫理審査委員会の承認を得て、間質性肺炎と診断された患者472例の胸部CTを用いた(400例:学習データ、72例:評価用データ)。代表断面像抽出器には、公開されている事前学習済みモデルの重みが利用可能な、2次元画像の入力をベースとする深層学習アルゴリズムを採用した。各症例について、肺尖部、横隔膜直上部、気管支分岐部の断面像を手作業で選択して抽出対象クラスとした。残りのスライスを別のクラスに割り振ることでそれぞれを独立した二値分類タスクと定義し、個別に3種類の学習モデルを構築した。不均衡データによる学習を支援するために、data augmentationと損失関数のサンプル重み付けを適用した。精度評価では、抽出対象スライスに加えて、その上下1枚を学習モデルが抽出した場合でも正しく抽出出来たものと判定して計算した。
【結果】
本研究で評価した深層学習アルゴリズムの中では、EfficientNet-B4が最も性能が良かった。適合率/再現率は、肺尖部モデル、気管支分岐部モデル、横隔膜直上部モデルでそれぞれ95.1%/97.2%、94.2%/95.8%、93.7%/93.0%であった。
【結語】
胸部CTから代表断面像を自動的に抽出するモデルを構築した。