Japan Association for Medical Informatics

[2-I-2-03] Current status and issues of AI development in the Japanese Society of Gastrointestinal Endoscopy

*Kiyohito Tanaka1 (1. Japan Gastroenterological Endoscopy Society)

AI, Gastrointestinal Endoscopy, Detection

日本消化器内視鏡学会では2017年度から、国立研究開発法人 日本医療研究開発機構(AMED)の支援をいただき、臨床研究等ICT基盤構築研究事業の一環として『全国消化器内視鏡診療データベースと内視鏡画像融合による新たな統合型データベース構築に関する研究』を開始した。そして、ここで得られた成果を継続しつつ、2019年9月現在、臨床研究等ICT基盤構築・人工知能実装研究事業として研究を継続している。画像を用いたAI研究においては、決して画像のみがあればよいわけではなく、画像の診断名、所見、内容、程度などを示す構造化され整理された文字情報の付加が不可欠である。この意味において消化器内視鏡領域の用語の標準化と大規模なデータベース構築を目指して2015年から推進しているJED(Japan Endoscopy Database)プロジェクトがベースに存在することは非常に重要な点である。本シンポジウムでは現在われわれが推進している7つの研究、すなわち1)「胃癌AI診断の精度向上」研究、 2)「炎症性腸疾患に対する通常内視鏡による病気分類への適応研究」、 3)「診療逸脱監視AIプロトタイプ開発」研究、 4)「十二指腸乳頭の映像分類と臨床所見の関連にかかわる研究」、 5)「消化器内視鏡画像のAI研究に資する仕組みの構築」、 6)「学会間連携を促進するAI言語解析による診断情報連携モデルの研究」、 7)「次世代医療基盤法施行後のデータ収集およびデータ利活用のための倫理規範モデル研究」に関して概説しそれぞれの進捗に関して報告したい。抄録において詳説は避けるが、病変発見を支援する当初のAI技術から鑑別診断、質的診断に資する技術の開発へ移行するとともに、現状の画像ファイリングシステムやなどのICTシステムは画像のAI研究をするには不足するものがあることが明らかになり、AI研究を推進できるようなデバイスの開発にも着手しており、その点も概説したい。それとともに自然言語で記載された文章のAIを用いた構造化、AI研究や機器開発における倫理的な問題の検討も行っており、それらに対しても触れつつ報告する