Japan Association for Medical Informatics

[2-P-2-06] 歯科診療時におけるデンタルミラーを用いた非接触型ポインティングデバイスの考案

*Akio Tomita1,2 (1. とみた歯科, 2. 株式会社ムロヤ)

Standard Precotion, Pointing device, Hough transformation, covid-19, PetriNets

COVID19による世界規模の社会的影響は、筆者の歯科診療所において変革をもたらしつつある。特に院内感染対策において顕著である。とりわけ歯科医療のスタンダードプリコーションにおける診療中のマウス等のポインティングデバイスの使用は感染の脅威となりうる。キーボードはバリアシートの貼り替えで対処できると考えるが、マウスは特性上、本体を指で保持しながらパッドを擦る運動を行うため、バリアシートを貼っても指先のグローブが汚染される危険性があると考える。解決策として、デンタルミラーを用いた動画像認識技術による非接触型ポインティングディバイスを考案、評価アプリケーションを作成、基本機能とシステム評価を行った。機能評価法は、カメラ画像からデンタルミラーの円成分をハフ変換により自動追尾させ、画面上にナンバリング及び等行列に配置した矩形に対して、指定したランダムな数列順に追尾画をオーバーラップさせ選択状態とする。全ての矩形が選択状態になった時点の操作時間を測定する。またデンタルミラーの直線成分に関して同様の処理を行う。比較対象としてマウス、トラックボール、ペンタブレットについて、バリアシートを貼って同様の処理を行う。システム評価は、動画像認識時のレンダリング処理時間、ミラー円成分と直線成分認識時間を測定する。操作時間secの平均値N=20と(SD)は、ミラー円17.2(1.71)、ミラー直線16.7(1.86)、ペンタブレット15.4(2.45)、トラックボール14.5(2.44)、マウス12.4(1.87)、処理時間msecの平均値N=100と(SD)は、レンダリング処理16.7(2.46)、ミラー円認識25.2(5.23)、ミラー直線認識13.8(3.20)であり、操作時間の延長が認められるもばらつきは小さく、処理時間の遅延も少なく非接触型ポインティングディバイスとしての機能性が示唆された。