[2-P-4-01] 薬剤領域における情報リテラシーとして必要な事項とは
-日本医療情報学会課題研究会 薬剤情報リテラシー教育研究会 報告-
education, pharmacist, curriculum
医療の現場では,情報システムの利用が拡大している.しかし,医療現場で利用する情報システムに関する留意事項について,利用者が十分な知識を得ているかは不明である.特に薬剤関連では,標準化が叫ばれるものの大きな進展は見られない.そこで我々は,薬剤領域の医療情報に関する教育の状況を調査するため,薬学教育モデル・コアカリキュラム平成25年度改定版(以下、コアカリとする)ならびに薬剤師養成大学における教育の現状を調査した. コアカリには,医療安全や情報セキュリティ,統計などの分野について教育目標が設定されていた.特に情報リテラシーの項目も設定され,基礎的な情報の取り扱いについて具体的な教育目標がたてられていたが,医療情報システムの適切な管理を目的としたものはなかった.一方,薬剤師養成大学における教育の現状調査では、各施設に対しアンケート調査(有効回答8件)を行った.「学部で教育している内容」についての問いでは,「医薬品添付文書など医薬品情報」8件,「データ解析,統計」「医薬品の安全管理と情報システム」各6件とこれらの内容は多くの施設で実施されていた.しかし「マスター管理」では1件「医薬品のコード」「標準化」では各2件とこれらの内容を教育する施設は少なかった.また,「薬剤師が学ぶべき内容」についての問いでは「個人情報」「医薬品安全と情報システム」「情報セキュリティ」が各8件と多く,その教育主体(段階)としては,「医療情報系学会」(64ポイント),「大学教育」(49ポイント)の回答が多かった. コアカリでは,医療情報システムの適切な管理に関する項目は示されていないため,医療情報に特化した項目が必要と思われる.一方,教育現場ではこれら項目も含め教育されているが,施設によりその内容には差異があった.したがって,薬剤関連の医療情報として必要な教育項目を明確にする必要があると考える.