Japan Association for Medical Informatics

[2-P-4-02] IoT手指衛生管理による手洗いモニタリングのリアルタイムフィードバックでの課題と試行

*Yoshinori Yamashita1, Hiromichi Iwasaki1, Hiroko Shigemi1, Yoko Muroi1, Masao Hida1, Yoshinori Ideno2 (1. 福井大学, 2. ケアコム㈱)

Safety Management, Infection Control, IoT

目的
これまで感染対策でのIoT活用として、WHOの手指衛生ガイドラインである5モーメントに基づく手指衛生を管理するシステムの構築を行ってきた。
その中でも、5モーメントを確実に把握することと手指衛生を促す必要が重要であるという試行結果から、手指衛生の実施状況のフィードバックの試行を行ってきた。
実際の医療者の行動に合わせたリアルタイムフィードバックによる手指衛生のアシストを確実に行うことが重要であるが、フィードバック精度がポイントとなるため、いくつかのフィードバック手法を検討した。
方法
これまでに、消毒液ポンプと人の動きのIoTを活用し、医療者の手洗いの状況把握を行い、手洗いの状況を可視化することによる手指衛生管理システムの開発と試行を行ってきた。
手指衛生の向上のために、可視化だけでなく、利用者への情報のフィードバックについても、センサーと医療者の院内用スマートフォンを活用した位置情報からのフィードバックを行うこととした。
しかしながら、単に位置情報だけであると入室・退室・患者への接近という動線からの判断となるため、誤った通知も多いとの指摘から位置情報と組み合わせる補正方法を検討した。
外部センサーとスマートフォンとの組み合わせやスマートフォンの内蔵センサーの活用を考慮し補正を行うこととした。
結果
スマートフォンの加速度内臓センサーでの補正方法を試したが、大きな効果は得れなかった。
しかしながら、これまでの位置情報のみからの動線分析より誤通知の低減が行えた。
外部センサーを併用することで、動きの検知の制度が向上でき、行動パターンとして予測が行えた。実運用としては、さらなる改良が必要であった。
考察
感染対策としてのフィードバック効果は大きいが、利用者への確実かつ目立たない通知が必要である。
感染管理としては、患者との接触という観点も必要であるので、BANなどの活用も含めた検討が課題である。