Japan Association for Medical Informatics

[2-P-5-03] クリティカルパス統計機能の改修~アウトカム評価精度の向上にむけて~

*Yasuko Muraki1, Syuuko Muraoka2, Yumi Yamada2, Masahiko Kimura3, Masashi Yoshinaka1, Jun Matsumoto4 (1. NTT東日本関東病院 情報システム担当, 2. NTT東日本関東病院 看護部, 3. 日本IBM株式会社, 4. NTT東日本関東病院 呼吸器外科)

critical pathway, statistics function, outcome evaluation, nursing record

クリティカルパス(以下、パス)分析は、アウトカム評価、観察結果など構造化された量的データからの分析が主である。しかし、それらの量的データが真のデータであるということは、バリアンス記録などの質的データが根拠となる。一般的に電子カルテに標準搭載されているパス統計機能(以下、標準パス統計機能)は量的データの集計は可能であるが、バリアンス記録などの質的データを同時に確認することはできない。 また、バリアンス記録は看護記録記載基準などに準拠し看護記録としての目的や要件を担保することで、看護記録とすることができる。しかし、バリアンス記録を看護記録の視点で評価している施設は多くはない。 当院では、2020年より運用する全パスをアウトカム志向型パスへ修正しパス分析を進めている。同時に、バリアンス記録は、看護記録としての質を担保できるように教育をしている。  今回、バリアンス記録内容を標準パス統計機能とアウトカム評価画面で確認できるようにシステム改修を行ったので、改修状況と利点について報告する。 バリアンス記録は、日々のアウトカム評価を確認しながら記載ができ、看護記録として保存できる。この機能は、アウトカム評価をしない場合も入力可能である。さらに、保存されたバリアンス記録は、アウトカム評価画面と標準パス統計機能の患者個々のアウトカム評価一覧画面で確認でき、エクセルなどに一覧で出力できる。 アウトカム志向型パスの場合、バリアンスはアウトカムを基準に記載することが重要である。アウトカムを確認しながら看護実践結果としてのバリアンス記録できることは、看護記録内容の精度が向上すると考える。さらに、アウトカムと関連するバリアンスをタイムリーに確認できることは、アウトカム評価の精度を向上させると同時に、看護記録の監査を行うことができ看護記録の精度も向上させると考える。