Japan Association for Medical Informatics

[3-A-4-01] Construction and operation of Chubu Centrair International Airport

*Yukihisa Hirano1 (1. Central Japan Industries Association)

中部国際空港株式会社は、空港の建設と運営を行う組織として2000年春に設立された。会社法が適用される株式会社である。当時、愛知万博の開催が決まり、それなら空港もと急に動き始めた慌ただしいプロジェクトであった。経緯から万博より遅れての開港は許されないと考えたし、健全な経営を目指すのも当然のことと考えた。
 中部地方に国際空港を建設しようという動きは以前からあり、中部国際空港建設促進期成同盟会、中部空港調査会が着実に活動してくれていたので、私たちは良いスタートダッシュを切ることができた。
 また、21世紀の初めに開港する国際空港として、規模、利便性、環境、ユニバーサル・デザイン、商業施設などあらゆる面で第一級の空港にしようと意気込んだ。相当なチャレンジだったと言えよう。「良い空港」については、実際にお使いいただいた方のご意見が大切であるが、いろいろな団体から賞をいただいたことを報告したい。ターミナルビルの3階に展示してあるので、ご覧いただきたい。
 「早く」「安く」については、画期的な新技術が開発されたわけではなく、具体的な目標を作り、その達成のために無駄を細かいものも一つずつ取り除いていった。これはトヨタでは一般的な手法である。
 「早く」では、細かい日程を作り各社に遵守してもらったこと、作業を重ね合わせたこと、能率の高い工法を導入したことなども大きな成果を上げた。
 「安く」では、見積もりの明細を提出してもらい、競争をしてもらったこと、VE活動を導入したことなどである。
 空港会社は、設立時約100名、国、地方自治体、民間がそれぞれ3分の1ずつであった。作業が始まってからは、300名程度の陣容であった。実に多彩なメンバーであった。私が痛感したのは「良い空港を、早く、安く作る」以外の事を考えるとろくなことは起きないということである。