一般社団法人 日本医療情報学会

[3-B-2] 看護のデジタル・トランスフォーメーション・DXを考える
―情報学と理工学がもたらす看護の未来に向けた変革―

*美代 賢吾1、赤瀬 智子2、齋藤 いずみ3、柏木 公一4、川口 孝泰5、宇都 由美子6 (1. 国立国際医療研究センター 医療情報基盤センター、2. 横浜市立大学、3. 神戸大学、4. 国立看護大学校、5. 医療創生大学、6. 鹿児島大学)

2000年代の情報技術と情報ネットワークの発展によるIT革命を経て、今、デジタル化を手段とした組織文化や働き方そのものに変革をもたらすデジタル・トランスフォーメーション(DX)が、医療を含む様々な領域で注目されている。看護の領域においては、これまでも勤務表の電子化、記録の電子化、点滴チェックの電子化などの情報化が進められてきたが、これらは紙の記録やチェックリストのコンピュータへの置き換えという範疇を大きく超えるものではなかった。しかしながら近年のAIの進歩、ロボット技術の発展という技術的進展と、コロナ禍による非接触やリモートに対する要求の高まりという社会的な変化は、看護の働き方、そして看護という概念そのものが変革に差し掛かっている可能性を予感させる。労働集約的な業務とみなされてきた看護の現場・領域に、DXは起こるのか、起こるとすれば何によってどのような変革がもたらされるのか、そこに向けて取り組むべきこと、準備すべきことは何か、看護情報学、看護理工学の専門家から、最新の研究と技術動向を紹介いただき、ディスカッションをおこなう。本企画は、医療情報学会・看護部会と看護理工学会の共催シンポジウムとして開催し、情報技術という側面と理工学という側面から、看護のDXを考える。看護の臨床現場の課題がどのように解決され、働き方はどのように変わっていき、そして患者や医療そのものへどのようにな影響が考えられるのか、看護のDXが生み出す将来像を映し出し、今後の方向性を考える機会とする。