[3-F-1-02] 歯科医療従事者の新人教育用e-Learningシステムの開発
new employee mentor, e-Learning, Dental care
【背景】倉敷医療生協歯科診療所グループは7院所で構成されており、各院所で歯科医療従事者の新人教育を行っているが、人手不足等により教育時間が減少しつつある。また、職場外での学習環境が整備されていない。【目的】そこで新人教育を充実させるためには、教育者と新人の視点から考える必要がある。本研究では、新人教育の現状をそれぞれの視点で把握し、ICTを活用した新たな教育システムを構築することで、より効果的な新人教育の実践に活かすことを目的とする。【方法 】2021年6月2日に新人16名と教育者14名の職員に無記名多岐選択式によるアンケート調査を実施した。教育者には「教育時間」「他院所の教育への興味」「教育の管理方法」などの9項目、新人には「学習時間」「職場外の学習」「資料の標準化」などの8項目の調査を実施した。その後、アンケート結果を踏まえた新人教育用システムを開発する。【結果】教育者に対する調査では85.7%が「教育時間が足りていない」、新人に対する調査では60%が「学習時間が足りていない」と回答した。そしてアンケート結果を基に、全院所共通の新人教育用e-Learningシステムを開発した。教育者側には、自動で進捗状況の一元管理・分析機能を設け、新人側には、標準化された資料と、レセコン形式や問題形式などの様々な形式で学習を行い、それを自己分析できる機能を搭載した。また24時間、学習できるWEB環境を整備した。【結論】アンケート結果から、教育者・新人ともに学習時間が足りていないことが推測された。職場外での学習環境が必要であり、e-Learningシステムは有用と考えられた。またシステムの活用で効率的な教育が提供できるようになった。そして全院所共通としたことで、教育の標準化にも繋がった。このシステムにより、グループ内の新人教育を共有でき、業務の効率化と個々の職員の能力の向上が期待できる。