Japan Association for Medical Informatics

[3-F-1-08] 遠隔授業(オンデマンド)後の小テストの有無による課題解答内容に基づいた理解状況の違い

*Miki Takami1, Hiroko Kyuma1, Takeya Takami1, Mami Takashima2, Kyoko Ishigaki1 (1. 兵庫県立大学, 2. 医療法人医誠会)

Basic nursing education, Distance learning, Educational Evaluation

新型コロナウイルス感染症の予防対策として看護基礎教育を担う看護系大学においても、基礎看護技術を学ぶ演習や病院での実習などを除き、看護師国家試験の受験資格を得るために必須な授業の大部分を遠隔授業にて実施している。遠隔授業には、オンラインとオンデマンドによる配信があるが、オンラインが可能な受信環境が整わない学生がいる場合には、オンデマンドによる授業動画の配信が必要となる。昨年度、面接授業とオンデマンドを受講した学生の課題解答内容に関する分析を行った。その結果、オンデマンドを受講した学生に正解点数の平均値が有意に低く、「検定手法の選択」などに誤りが多い結果となった。そこで、当該授業動画の配信後に、学習支援システムを活用した小テストを実施し、科目終了後の最終課題の解答内容に基づいて、昨年度との理解状況の違いを明らかにすることを目的とした。
調査対象は、A大学看護学科2年生で2020年度及び2021年度における「保健統計の基本的な用語・検定」、「データ処理の実際」各90分の授業を受講した学生である。授業形式は、どちらもオンデマンドである。ただし、2021年度は、当該授業終了後に授業内容に沿った小テストを学習支援システム上に提示し、解答を求めた。授業では、今の説明がどの問題の参考となるかを伝え、解答につまずいた際は、授業動画を繰り返し視聴するよう伝えた。科目における全ての授業終了後、昨年度と同様に基礎統計及び検定の計算を行う最終課題を課した上で、正解数及び解答内容について分析を行う。
解答者数は2020年95名、2021年87名である。基礎統計に関する課題では、計算式は記載できるものの値を計算できない学生は、いずれの年度においても存在していた。また、「仮説の設定」、「検定手法の選択」などの項目は、2020年度では不正解又は未記入が90%以上であったが、2021年度では減少していた。