Japan Association for Medical Informatics

[3-G-1-02] ePath基盤を用いた内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)のLearning Health Systemの実践

*Takanori Yamashita1, Yasunobu Nohara2, Yoshifumi Wakata5, Hideki Nakaguma3, Shinji Hato4, Kenichi Yoshida3, Tomohiko Moriyama1, Masatoshi Sugita6, Yuki Sunano4, Susumu Kawamura4, Mihoko Okada7, Naoki Nakashima1, Hidehisa Soejima3 (1. 九州大学病院, 2. 熊本大学大学院先端科学研究部, 3. 済生会熊本病院, 4. 四国がんセンター , 5. 徳島大学病院, 6. NTT東日本関東病院, 7. 一般社団法人医療データ活用基盤整備機構)

Endoscopic submucosal dissection (ESD), ePath, Clinical pathway, Learning Health System, Machine learning

【はじめに】近年の早期胃癌に対する内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)は一般的な治療法として確立されている。ESD 診療の質向上に向けた最善の診療プロセスを得るためには、電子カルテから診療プロセスデータを効率よく収集し、解析する必要がある。
【データ・方法】2018年度〜2020年度のAMED研究事業「クリニカルパス標準データモデルの開発および利活用(代表:副島秀久)」(ePath)では8疾患のクリニカルパス(パス)の標準パスを開発し、電子カルテベンダーの異なる4施設の実証病院で運用した。そして、パスデータ・DPCデータ・診療データに対して標準的な出力仕様を実装し、各施設のデータを匿名化し、統合解析基盤へ連携した。ePath標準パスの一つである胃ESDパスは、診療上必要なアウトカム(循環動態、呼吸状態、疼痛など)と胃ESD特異性のアウトカム(消化管出血、腹部症状、腹膜炎、体温など)を設定した。約10ヶ月間運用し蓄積されたデータから、長期在院リスクに対する可視化解析と機械学習解析を実施し、その結果を用いて臨床家ミーティングで検討した。喫煙指数1,500以上がリスク因子として得られたため、禁煙の観察項目を追加し、臨床的検討から便秘と腹膜炎のアウトカムを削除するパス改訂を実施した。一方で、合併症や患者の臨床的負担を評価するためには、検査値などのデータ活用が課題として残った。そして、改訂パス後を約半年間の運用し、蓄積されたデータにて再解析を行った。
【結果・まとめ】再解析では検査結果を含めたデータを対象とした。長期在院リスク因子として術後ヘモグロビンの低値が抽出された。またパス改訂後では長期在院例の減少傾向が認められた。今後は検査値の臨床的評価と患者層別化の解析を実施する予定である。パス改訂による医療の質向上と業務負担軽減を考慮したLearning Health Systemを達成した。