Japan Association for Medical Informatics

[3-G-2-04] 5G/IoT時代を見据えた、山間部・へき地における遠隔リハビリテーションの実証

*Yutaka Handa1, Tsukasa Agata1, Masayoshi Nomura1, Kenji Natume1, Miwa Kakura1, Masaru Nobui1, Hitoshi Hirata2, Hidemasa Yoneda2, Shintaro Oyama2, Masaomi Saeki2, Shingo Shimoda3, Satoshi Kaneta4, Yoshiyuki Kobayashi4 (1. 新城市民病院, 2. 名古屋大学医学部附属病院, 3. 理化学研究所, 4. NTTデータ経営研究所)

Remote rehabilitation, 5G, Industry-academia-government collaboration

愛知県東三河の山間部に位置する新城市作手地区には理学療法士はおらず、新城市民病院から作手保健センターへ機能訓練事業として派遣している。作手地区では、交通インフラ不足による通院困難、広大なカバーエリアへの医療従事者派遣に対する負担といった課題がある。これらの課題を解決するべく、総務省「地域課題解決型ローカル5G等の実現に向けた開発実証」の請負事業において、産学官連携コンソーシアムを設立、5Gを用いた遠隔リハビリの実証を行ったので報告する。 作手保健センターに5G基地局を設置、市民病院と光回線による5Gネットワークを構築をした。4K映像伝送システムにより意思疎通の手段を確立、マーカーレスモーションキャプチャーによる関節角度や歩行の定量化を図った。本実証では、通常のリハビリ以上に転倒や急変へのリスク管理が必要なため、PT(Physical Therapist)to P(Patient) with N(Nurse)にて実施。PT、看護師、患者へ質問票による主観的評価を行った。 PTからの指示を患者が受けて、事前に設定したリハビリメニューはすべて実施可能であった。質問票からPTの視点で映像解像度、映像伝送の遅延時間に大きな問題ないことを確認した。看護師は安全面に関して多少不安があったと回答した。患者からは、対面リハビリと比較し「概ね安心してリハビリができた」、「とても安心してリハビリができた」と回答した。一方、コミュニケーション、会話のタイミングが難しいと意見があった。 遠隔リハビリのメリットとして、遠距離が原因のリハビリ通院困難者に対しリハビリの提供がしやすく、頻度を増やし運動習慣定着に一助を果たす可能性がある。 今後、遠隔リハビリ提供の課題として、コミュニケーションにおけるユーザーインターフェースの洗練化、モーションキャプチャーデータの解釈、医療制度、コストなどの解決が必要と考えられる。