Japan Association for Medical Informatics

[3-H-1-01] Implementation and Challenge of HL7-FHIR based clinical logic architecture to EHR

Kota Torikai1, *Ryunosuke Matsutyama1 (1. Gunma University Hospital)

HL7 FHIR, EHR, CDSS, IoT, REST API

中期的な病院間データ連携と院内診療効率化を両立する手がかりとして、院内での情報フォーマットのFHIR化が有効であるとの仮説に基づき病院情報システムアーキテクチャの設計に取り組んでいる。長期的な診療の質向上には、医療アラートやクリニカルパスなどの最小構成単位となる「医療ロジック」の継続的蓄積と共通化が不可欠である。そこで「ロジック・ドリブン」機能を電子カルテシステムから独立させるコンセプトとして”In-Process Clinical Intelligence”(IPCI)を設計し、試験実装した。IPCIはClinical Decision Support Systems (CDSS)概念モデルを含むが、「多忙な診療現場に追従する高いレスポンスの両立」、ならびに「ロジック自身の永続化」についての実装アーキテクチャを提案する点で異なる。IPCIの実装にはグルー言語としてJavaScriptを選択し、スクリプト中心の記述にNode.js、医療ロジック層の記述にNode-REDを選択した。本研究ではプロトタイプベースオブジェクト指向モデルとメッセージフローモデルを活用することにより、ロジックの再利用性を高くする手法を検討した。HL7 FHIRを標準メッセージモデルとするNode-REDを医療ロジックの中核として位置付けることにより、非同期でのメッセージ分岐を安全に記述でき、迅速な機能拡張に貢献すると期待される。さらにREST APIによって接続されるアクセスポイントやWebカメラ等の各種IoT機器との機能連動が同一のロジックで記述でき、統合的な診療ワークフロー実現に貢献することが期待される。IPCIはISO化が検討されているe-Pathの実装モデルとしても有効であると考えられる。IPCIは2022年に本院で更新される電子カルテ機能としてベンダーにより実装される予定である。