Japan Association for Medical Informatics

[3-H-3-05] Medical DX required by physicians - System to prevent overlooking inspection reports

*Yasuhito Yamamoto1 (1. Tokyo metropolitan hiroo hospital)

医療従事者にも働き改革が進められる中で、高度な品質を維持するには医療DXが必要だが、成功の可否は医療従事者の課題であると考える。そこで当院がすすめたDXの一例として既読管理を示す。

先行する「レポート見落とし防止対策システムの機能的仕様項目」で求められる要件への対応。
(1)主治医の関心領域以外の重要所見が見落とされる可能性の排除
オーダー画面に検査目的を必須入力として設置、サブシステム上の放射線レポート作成画面を改修して重要ボタンを用意した。
(2) オーダー医師と対応医師が異なる場合や、主治医の異動など、医師間の連携漏れの対応
研修医だけでなく指導医にもレポート開封依頼を送付した。指導医とのマッチングは、カルテ記載を解析し、カルテアクセスやPHSの移動などを加味し特定した。異動に関しても、患者予約情報や再診時の記載などから開封依頼を引き継いだ。
(3)専門的略語が理解されない問題
略語を含めカルテ全文を解析するNLPを開発し、患者の重要所見を見落とさない工夫をした。
(4)病理と内視鏡レポートの関係性から発生しうる見落としへの対応
内視鏡レポート所見を解析し、病理オーダーとの関連を明確にした。病理部門が内視鏡医師の意図を俯瞰することで、適切に重要フラグを設定、最終的なプロセス管理も担った。
不足部分と新規性
複数のビューアーに対する問題解決していないが、患者カルテを開くと自動的にレポート画面が開いた状態で表示されるUIを用意した。監査画面にタイムライン表示を追加し治療プロセスだけでなく、他科依頼、紹介状など医療者間のコミュニケーションも表示し、プロセス管理を含む既読管理の負担を軽減したことは新規である。 DXは誰かが用意すれば単純に省力化されるものではない。今までの仕事の仕方を変更し、デジタルを受け入れた業務改革が必須である。DXするのは医療者であり、受け入れられるDXを提案していかなくてはならない。