Japan Association for Medical Informatics

[3-H-3-07] How should Medical Professionals and Systems Integrators / Venders work shoulder to shoulder?

*Ken-ichiro SHIMAI1 (1. Chiba University Hospital)

今までと現在の医療における情報化の経緯と実状から、今後の医療のデジタルトランスフォーメーションを、旧来の医療機関(発注側・買い手)とベンダー(受注側・売り手)という関係のままで実現していくことはかなり厳しいと推察する。
我が国の健康・医療・介護の領域におけるICT利活用において、早急かつ抜本的な改革の推進が求められている状況で、様々な課題を解決させるべく重点事項が洗い出され、工程表も具体的に整えられつつある。行政の潮流も考慮して、医療機関とベンダーが協業パートナーシップを持ち、互いの持っている認識や期待のズレ・ギャップを共有し、具体的な協創談義を図る必要がある。
協創談義を継続的かつ建設的に進行するためには、品質保証・安全管理の業界で培われているノウハウや手法を取り入れ、また、互いの事業継続性をも維持・保証できるようにするためにも、個別の部分最適から中長期的な視座での全体最適、デジタイズ・デジタライズ的な工作から、システムや運用の断捨離をも含めた創造的情報化、などの思考・志向の転換と決断が必至と考察する。
以上から、実臨床で医療機関の運営・業務の方針決定・戦略立案を担いつつも臨床現場との密な接点ももち、かつ、種々調整・仲介・交渉などを実践する医療従事者と、ベンダーの実フィールドで活動する営業・技術それぞれの立場のスタッフに加えて、製品や事業の設計・開発・企画を担うスタッフや意思決定者と、そして、業界を中長期的かつ総括して俯瞰する行政機関や有識者団体の関係者とで、医療DXへの移行・過渡を、どのような体制・段取り等で進めていくか、膝をつきあわせて、具体的に調整・企画することが急務と提案する。