一般社団法人 日本医療情報学会

[3-I-1-04] 画像検査被ばく量の電子カルテオーダー側との連携

*木村 通男1 (1. 浜松医科大学附属病院 医療情報部)

検査被ばく量の管理の目的は、検査部門内での検査品質管理がまず初めにあるが、その先は、検査の有効性を保ちつつ、医療被ばくの減少を図ることである。そのためにはオーダーする医師に適正な情報を提示しなければならない。
今、放射線部側の被ばく量管理のIT化が、標準的な形で進んであり、材料は揃いつつある。まずは検査ごとの線量が出力されているので、これをDICOM RDSR(Radiation Dose Structured Report)で記録する。これをIHE REM(Radiation Exposure Monitoring)で施設内で共有することができる。浜松医大病院では、これらが標準化されており、担当各社(キヤノン、GE、バイエル、富士フィルムメディカル、NEC)が対応していたおかげで、極めてスムースに接続され、放射線部においては患者ごとに管理され、オーダーする電子カルテにも届いている。
検査の適応をオーダーする医師が考える目安は、同時に患者が理解できるものでもあるべきで、とすれば、Gy単位でなく、概算でもSv単位が望ましい。(なお、概算のための体重、身長も、OCR問診票データを取り込み、体表面積計算に呈している。)
現状、まずは検査部門で算定した、各プロトコル(電子カルテ側ではオーダーメニュー)ごとの概算線量を掲示している。今後は患者ごとの当院での線量積算を得知事する予定である。患者は他施設でも検査を受けるからであり、その際には検査終了後にQRコードでDICOM検査IDとともに患者に渡すことも視野に入るであろう。