Japan Association for Medical Informatics

[3-P-1-02] 機械学習を用いた新型コロナウイルス感染症重症化予測モデルの検討

*Naoya Uematsu1, Atsushi Manabe1, Yoshiaki Fujimura1, Noriyuki Takahashi1, Katsuhiko Ozaki1, Shigeto Horiuchi2, Makoto Hibino2, Tetsumasa Kamei2 (1. 徳洲会インフォメーションシステム株式会社, 2. 医療法人徳洲会 湘南藤沢徳洲会病院)

Machine Learning, COVID-19, NEWS Score

背景・目的:新型コロナウイルス感染症によるパンデミックが世界中で進行し, 重症化感染者数が病床を上回ることにより医療逼迫が続き, 自宅療養患者の死亡も報告されている. そこで我々は, 早期に重症化を予測することを目的に, 状況に応じた2つの重症化予測モデル(24時間以内・24~48時間以内)を検討した. 現在徳洲会グループでは, 英国早期警告スコア(NEWS)を用いて重症化を予測している. NEWSは, 一時点のバイタル情報(呼吸数, 脈拍数, 収縮期血圧, 体温, SpO2, 意識レベル, 酸素投与あり・なし)をスコアに変換し, 重症化予測を行う手法である. NEWSは患者の特性とバイタル情報の変動が考慮されず, 早期の重症化予測が困難であった. そこで我々は, 予測精度を改善させる目的で, 機械学習を用いた機械学習早期警告システム(ML-EWS(COVID-19))の開発を行った.
方法:対象データ:徳洲会グループが保有する徳洲会メディカルデータベース(TMD)から, 2020年7月から現在までの2,000名を超える新型コロナ陽性患者情報及びその患者のNEWSで利用されているバイタル情報を取得した.
解析手法:本研究では, 重症化発生以前のバイタル情報を3回分利用し, ランダム・フォレスト法を用いた機械学習モデル(ML-EWS(COVID-19))を構築した. また各重症化予測モデルに対して, バイタル情報の各項目の重要度分析も行った.
結果・考察:
受信者動作特性分析では, NEWSよりML-EWS(COVID-19)が良い予測精度を示した. 24時間以内と 24~48時間以内の重症化予測モデルによる重要度分析の詳細については, 発表会当日に報告する. 今後の課題としては, 病名情報等を活用しながら, 予測精度の改善を行う予定である.