Japan Association for Medical Informatics

[3-P-2-01] オンライン面会の利点と課題 -COVID-19看取り患者の事例から-

*Tomoyasu Ishikawa1, Shuko Muraoka1, Mina Sato1, Shiho Kado1, Takayuki Sakurai2, Yuto Kojima3, Tamiko Yukawa1 (1. NTT東日本関東病院 看護部, 2. NTT東日本関東病院 感染症内科, 3. NTT東日本関東病院 情報システム担当)

Online visit, Communication tool, COVID-19

【背景】新型コロナウィルス感染症(以下、COVID-19)に対応するため、A病院は、2020年8月から家族の面会を禁止し、代替方法にオンライン面会を導入した。今回、オンライン面会を取り入れた事例を振り返り、オンライン面会の有用性と課題を明らかにしたので報告する。【事例紹介】患者:A氏80代男性、家族:配偶者と息子2名、配偶者と次男は同居。長男は別居。診断名:COVID-19肺炎。経過:入院3日目せん妄を発症、配偶者と次男はPCR陽性が判明し病院とホテルに隔離となり、濃厚接触者の長男は自宅待機となった。入院5日目Best Supportive Careの方針が決定した。【看護計画】せん妄症状に対するケアと看取り期における家族のグリーフィングケアに対し、家族とのオンライン面会を計画。【方法】A病院でのオンライン面会は初のケースであったため、環境を整備する必要があった。WI-FI環境は、既に情報システムで整備済みであった。デバイスの設定に1日を要した。1回の面会に対応する看護師は2~3人を要した。【結果・考察】初回のオンライン面会は10分間、患者と次男と長男で行った。配偶者は隔離先の病院にWI-FI環境が無いため参加できなかった。面会時、患者は、「おー久しぶり」「頑張る、そっちのことは頼んだぞ」としっかり会話し表情も明るかった。家族は「オンライン面会で患者と話すことができ良かった」と話された。看護師は、「患者さんが家族と話した途端にせん妄とは思えないくらい、生き生きと話していたので驚いた」「オンラインを通して、本人と家族が繋がる時間を作ることができた」と評価した。したがって、オンライン面会はコミュニケーションツールとして有用であったと考える。一方、課題は、個人情報の保護と対応人員の確保である。今後は対応策を検討し、患者や家族、看護のニーズに対応できる方法を整備する必要があると考える。