一般社団法人 日本医療情報学会

[3-P-2-02] 災害対処時WebカメラシステムのCOVID-19重症患者病床監視への応用

*高橋 国人1、脇坂 仁1 (1. 防衛医科大学校)

bed monitoring, provisional LAN, Web camera, COVID-19

災害拠点病院災害対処訓練時にトリアージ等の各処置ポストに設置したWebカメラによる映像を臨時敷設LAN経由し指揮所で閲覧する災害対処時Webカメラシステムの構築の試みを第37回医療情報学連合大会で報告した。昨年4月、当院救急センターの集中治療室をCOVID-19重症患者に急遽割り当てた際、翌日から運用可能な病床監視の手立てを救急部より相談され、報告した当該システム構築の経験を活かし対応した。各病床脇にWebカメラ(4台)を配置し、隣室から映像監視および制御可能にした。Webカメラ再設定や配線取り回しおよび各種接続、動作確認まで完了に約1.5時間を要した。4月21日から5月13日まで使用した。災害対処訓練時、機器・ケーブル集めに1時間以上を要した経験からそれら機材を一式まとめて保管してあり、今回の設置時間短縮に活かされた。しかし、PC上の予めの諸設定は、OSがアップデートされていた影響で制御アプリの再インストールが必要になり、他用途兼用PCではなく専用PCの準備が適切であることが改めて示唆された。無線LANではアクセスポイントとWebカメラとの間で人が頻繁に横切ると映像が途切れた反省があったので、今回は全て有線接続した。災害対処訓練時と今回とで大きな違いは、使用場所が感染対策区域ということもあり、操作者に医療情報部員ではなく、利用者(医師や看護師)がそのままあたる点である。機器トラブル時には利用者が一次対処せざるを得ない。操作やシステム再起動方法を口頭で一通り説明したものの、最初の2日間に2度ほど医療情報部が対処した。しかし、救急部で独自に手順書や小道具を作成し、早い段階で自力対処可能になっていた。想定していた状況ではなかったものの以前試みの経験や知見が活かされた部分があり、また、実践にて新たな課題が幾つか挙がったので報告する。