Japan Association for Medical Informatics

[3-P-2-05] 新型コロナウイルスワクチンの接種率とワクチンへの関心:グーグルトレンドを用いた地域相関分析

*Takuya Kinoshita1, Takehiro Matsumoto1,2, Naota Taura2, Tetsuya Usui2, Mayumi Nishiguchi3, Hozumi Horita3, Kazuhiko Nakao2 (1. 長崎大学大学院医歯薬学総合研究科医療情報学, 2. 長崎大学病院医療情報部, 3. 長崎大学病院看護部)

COVID-19, Vaccine, Google Trend

我が国において新型コロナウイルスのワクチン接種が医療従事者向けに2月より始まり、4月からは高齢者を対象に全国的にワクチン接種が可能となった。ワクチン接種率に関した医療情報は報告されているものの、国民におけるワクチン接種の関心に関する報告は少ない。近年、グーグル社が提供しているグーグルトレンドを用いた分析が新型コロナウィルスの流行に伴い散見され、新型コロナウイルスなどの感染症の流行とキーワードのインターネット検索は強く相関すると報告があるが、ワクチン接種率での検討は皆無である。また、高齢者を対象としたワクチン接種のみであることから、インターネットを用いた検索は限られていると想定し、負の相関があると考える。また、高齢者の割合が高い地域において負の相関があると考えられる。本研究では地域を考慮したインターネットを用いたワクチンの関心および接種率の関連を検討する。 方法:厚生労働省のオープンデータより各都道府県のワクチン接種率および人口(65歳以上)のデータを入手。グーグルトレントからコロナおよびワクチンのキーワードのトレンド係数のデータを入手。相関分析はスピアマンの順位相関係数を用いて相関分析をする。 結果:新型コロナウイルスのワクチンに関する関心とワクチン接種率には地域間において負の相関が認められた(r=-.621 p<.05)。また、高齢者の割合が高い都道府県においても同様であった(r=-.699 p<.05)。 結論:本研究ではワクチン接種率とインターネットを用いたワクチンの関心には逆相関があることが明らかになった。今後はワクチン接種の対象年齢が下がることによる変化が期待される。