Japan Association for Medical Informatics

[3-Q-1-01] 医療における原価計算の精度を上げるための直課捕捉率向上の試み

*Hiroshi Demachi1,2, Hirokazu Shimanoucchi2, Kazuhiro Yanagiura3, Takanobu Hamanaka3, Aimi Iida3, Hanai Takada3, Hodaka Kitano3, Kouji Minatoya4, Kimihiko Narakino4 (1. 富山県立中央病院 放射線診断科, 2. 富山県立中央病院 医療情報部, 3. 富士通株式会社, 4. 富士フィルム医療ソリューション株式会社)

hospital cost accounting, Health care fee, direct charge, allocation

【目的】 EF並びにDファイルのレコードと薬剤在庫システム並びに診療材料取込システムのデータと突合させ、医療行為(Accountとして別途定義)で直接消費(直課)される「薬剤」と「診療材料」の費用を算出するロジックとこれの評価を報告すること。【方法】 診療報酬が得られる医療行為をおこなう部署を、135の部門とこれに属するセクションに分類した。「データ区分」、「解釈番号」、「レセプト電算コード」を変換キーとして入・外来EFとDファイルに部門・セクションの情報を付与した。部門とこれの属するセクション毎の一患者の一日当たりの診療報酬の対象となるEF並びにDファイルの診療行為群(レコード群)を診療行為のAccountと定義し、2020年7月のEF並びにDファイルを用いてAccount数と不適格変換の出現率を算出した。次に、以下の定義でAccountに紐づく消費された材料(薬剤と診療材料)を直課とし、同期間の直課となる材料額と直課捕捉率を求めた。薬剤ではAccountで消費された薬剤と在庫管理システムの「購入価マスタ」とを「レセ電コード」でマッチングさせ、合致した薬剤の価格に対し、購入価マスタの値引き率をかけた額を直課薬剤費とし、購入金額との差額を配賦薬剤費とした。診療材料では患者ID、実施日、部門セクションがAccountと同値の材料取込オーダに基づいて収集された材料を直課診療材料費とし、購入金額との差額を配賦診療材料費とした。【結果】190,772件のAccount数に対して、部門・セクションの不適格変換は23件、0.012%の出現率になった。診療材料全体の支出897,210,546円に対して、746,173,498円の材料費が直課として捕捉でき、直課捕捉率は83.2%となった。【まとめ】 Accountに対する材料費の直課捕捉率が高いロジックであることが確認できた。