一般社団法人 日本医療情報学会

[4-A-1] 今求められる医療情報教育

*渡邉 直1、澤 智博2 (1. 一般財団法人 医療情報システム開発センター、2. 帝京大学医療情報システム研究センター)

医療・健康情報(health information)の概念および知識,その利活用の方法をきちんと身につけることは,医療・健康に携わる従事者(healthcare providers)ならびに健康科学研究に身を投じる研究者(health science researcher)にとってファンダメンタルな前提であると言えよう.しかるに,このhealth informaticsについて系統的にこれらの人々に教育を行うしくみが提供され,その中で標準的な実践がなされてきているだろうか.
 本シンポジウムではhealth informaticsの教育に関する国際的な動向を踏まえつつ,教育を受ける対象として上述のhealthcare providersおよびhealth science researcherを定め,この対象にどのように医療情報教育を行ってゆくべきかについて論じ,あらためて検討することを企図する.
 より具体的には,以下のopen questionsを掲げて検討をしてゆきたい.
 医療情報システムについての教育(システム構築やコンピュータ理論,ネットワーク,セキュリティー,データベース教育を含む)はどのように行われ,今後展開してゆくべきか?データを活かして医学・医療に貢献できるためのノウハウはきちんと教えられているか?要配慮個人情報を取り扱うものとしての倫理教育,法ならびにガイドラインの基本についての教育はどうか?そしてシステム的枠組みそのものではなく,その中にこめられるべき医療・健康情報コンテンツをいかに正確に記録し,かつ共有可能なものとするかについての教育はどうか?
医療情報学会は,この課題に対して,十分な貢献をしてきただろうか? 今後それに向けて発展的に取り組んでいけるだろうか?医療情報学会が共同して取り組んでゆくべき“友”は誰か?…