一般社団法人 日本医療情報学会

[4-A-1-03] 診療情報のコンテンツについての教育

*宇宿 功市郎1,2、西屋 克己3 (1. 熊本大学病院 医療情報経営企画部、2. 熊本大学大学院 医学教育部 医療情報医学講座、3. 関西医科大学医学教育センター)

CBT/OSCE, accreditation of medical field education, clinical practice

診療参加型臨床実習での診療録記載は、電子カルテに直接入力をする大学、閲覧のみの大学、学生利用は行っていない大学など各校の事情において取り組んでいる。医学科学生の医行為は共用試験CBT・OSCEにおいて学生の能力を確認、臨床実習に進むことで許容されている。ただ、医学科学生に電子カルテの入力許可している大学でも、何をどのように記載するかの教育がなされずに電子カルテを操作、診療記録を記載する事は問題があるとの指摘もある。そのため診療録の記載においては、一般的に重要とされる内容を教育、医学的に的確に記載することが行えるように指導することが必要である。医学教育分野では、国際基準をふまえた医学教育分野別評価が一般社団法人日本医学教育評価機構(JACME)により行われており、「世界医学教育連盟(WFME)グローバルスタンダード2015年版」準拠の「医学教育分野別評価基準日本版Ver. 2. 33(2020.11.2)」で評価されている。6.教育資源、6.3 情報通信技術では、基本的水準に、適切な情報通信技術の有効かつ倫理的な利用と、それを評価する方針を策定し履行すること(B6.3.1)、インターネットやその他電子媒体へアクセスを確保(B6.3.2)すること、質的向上のための水準に、教員および学生が「自己学習(Q6.3.1)・情報の入手(Q6.3.2)・患者管理(Q6.3.3)・保健医療提供システムにおける業務(Q6.3.4)」の事項についての既存のICTや新しく改良されたICTを使えるようにすること、担当患者のデータと医療情報システムを、学生が適切に利用できるようにすべきである(Q6.3.5)ことが記載され、医学部に必ず実現、もしくは取り組むべきことを求めている。診療参加型臨床実習の際の医学教育担当教職員と、医療情報担当教職員間で共通認識とすべきことをまとめることが出来ればと考えている。