一般社団法人 日本医療情報学会

[4-C-2] IHEチュートリアル「ここまで進んだIHE - IHE UPDATE 2021 -」

*安藤 裕1、放射線 委員会1、関 昌佳1、近藤 恵美1、石井 尚実1、塩川 康成1 (1. 日本IHE協会)

医療情報システムの守備範囲は拡大し、医療情報システムは複数のメーカが提供し、複数のシステムが稼動するマルチベンダ化が進んでいる。Integrating the Healthcare Enterprise(IHE)は、このような環境で発生する諸問題を解決するために1999年に北米で誕生し、日本では2001年から活動している。

IHEは、医療機関における様々な部門システム間の相互運用性(情報の連携・活用)を推進する統合化プロジェクトである。近年では、地域連携システムの実現に役立つ仕組みや、ベッドサイドや手術室などに導入する情報システム、モーバイル端末での医療情報の取扱についても対象範囲が広がっている。日本では、医用画像の媒体経由の交換方法、地域医療連携における情報連携基盤技術仕様など4統合プロファイルが、医療情報標準化推進協議会(HELICS協議会)の指針となり、さらに厚労省標準規格として採択されている。

本チュートリアルでは、IHEの概要をやさしく解説した後、最近改訂されたあるいは注目されているIHE統合プロファイル(業務シナリオ)などについて、その最新の状況を解説する。各分野のトピックスとして、放射線領域 インジェクタープロファイル(CAM:contrast administration management)、ITI領域 FHIR関連プロファイル(PDQm:patient demographic queryなど)、病理領域 デジタルパソロジープロファイル(DPIA:digital pathology workflow ? image acquisition)、臨床検査領域 検体関連プロファイル(SET:specimen event tracking、LSH:Laboratory specimen handoff)、最近のコネクタソン実施形態などである。