一般社団法人 日本医療情報学会

[4-C-3-01] 厚生労働省標準規格SS-MIX2標準化ストレージのデータ品質改善の試み

*中山 雅晴1、永島 里美2、大江 和彦2、山下 暁士3、白鳥 義宗3、山下 貴範4、中島 直樹4、堤 英樹5、東海林 晋5、窪田 成重5 (1. 東北大学病院, 2. 東京大学医学部附属病院, 3. 名古屋大学医学部附属病院, 4. 九州大学病院, 5. 富士通Japan株式会社)

SS-MIX2, Quality management, Real world data

厚生労働省標準規格であるStandardized Structured Medical Information eXchange version 2 (SS-MIX2) は異なる電子カルテベンダー由来の診療データを共通の様式で保存でき、2次利用も容易となるため、MID-NET®事業やGeminiプロジェクトなど広く活用されている。その目的を鑑みれば、データが正しく移行されているという品質保証は必須かつ重要であるが、その徹底にはコストや労力がかかることが実情である。特に、今まで複数の同様なプロジェクトの経験と実績を持ちながら、その品質が定まらず、また検証作業に相応のコストと病院側へ少なからぬ負担を強いていることは問題であると考え、同一ベンダーのカルテを用いている複数の大学病院において検証を行い、不整合の原因分析と対策について検討してみることとした。まず、品質保証のために必須と考えられることとして、①文法チェック(SS-MIX2に移行したデータがSS-MIX2の仕様に正しく準じているか)、②定量チェック(病院情報システムにおけるデータ数とSS-MIX2に移行したデータ数が等しいか)、③定性チェック(病院情報システムにおけるデータとSS-MIX2に移行したデータの内容や値が等しいか)を上げたところ、そのいずれもが十分に行われているわけではないことや、そのための標準ツールも存在していないことが判明した。改めて、これらの検証を行うことにより、ベンダーとしての標準品質保証、各病院によるカスタマイズや設定などの問題などを詳らかにし、労力面においても費用面においても効率化をはかる。現在、順次ツール作成と結果の確認を行っている。SS-MIX2の活用を推進するためにはデータの正確性を担保するコストを低下させるべきであり、今回の試みが他ベンダーへも横展開できるよう手順やツールを定めたい。