一般社団法人 日本医療情報学会

[4-C-3-04] 国立高度専門医療研究センター(NC)における多施設共同リアルワールド臨床データベース(JASPEHR)のデータ利活用環境の構築について

*星本 弘之1、美代 賢吾1、石井 雅通1、波多野 賢二2、平松 治彦3、渡辺 浩4、三原 直樹5、野口 貴史6、北村 真吾2、櫻井 理紗3 (1. 国立国際医療研究センター, 2. 国立精神・神経医療研究センター, 3. 国立循環器病研究センター, 4. 国立長寿医療研究センター, 5. 国立がん研究センター, 6. 国立成育医療研究センター)

Clinical Database, HL7 FHIR, Patient Registry

国立国際医療研究センター、国立精神・神経医療研究センターなど、6つの国立高度専門医療研究センター(ナショナルセンター:NC)では、リアルワールドデータ(RWD)を用いた臨床研究推進のため、多施設共同臨床データベース構築事業を推進している。このデータベースは、SS-MIX2から取得される患者基本・受診歴・検査・処方などに加え、電子カルテと連動するテンプレートによるデータ収集にも対応している。このテンプレートはHL7-FHIR-Questionnaireにより定義したものを各電子カルテのテンプレートに展開し、入力結果はFHIR準拠のJSON形式で格納するもので、研究プロジェクトごとに定義と展開が可能である。 収集データは、データセンター(DC)において欠損値や外れ値の検証や、ローカルコードと標準コードのマッピングなどのデータクリーニング処理の後、患者数や疾患数、医薬品の処方数等の基本情報を確認できるカタログデータが作成されている。データの利活用環境については、カタログデータの参照や分析ツールによる自由分析が可能なオンサイトデータ分析センター(OAS)をDC内に設置しているほか、各NCからの利用に対応するため、リモートアクセス環境の整備を推進している。 データ利用については当面は対象者を6NC所属の職員に限定し、データを持ち出さずにOASでの必要データへのアクセスを許可するという方向で規定や手続きの整理検討が進められている。 JASPEHRのデータは将来的には6NCが共同で運営しているバイオバンクのデータとの連携を目指しており、完成すると臨床情報とバイオバンクサンプル由来のゲノムデータが紐付いた数十万件規模のデータベースとなる予定である。 本演題では、JASPEHRデータベースと分析環境およびデータ利活用体制について報告する。